「通信制高校から大学進学は難しい」の理由は?|学校選びのコツも紹介
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「通信制高校から大学進学は難しい」という意見を見て、不安に感じていませんか。
通信制高校の進学事情を詳しく知らない状況だと、なおさら気になってしまいますよね。
しかし、通信制高校で進学ができるかどうかは個人次第。
「進学が難しい」と言われる理由を知れば、自分の状況に合わせて判断できるはずです。
通信制のサイル学院長
今回は、「通信制高校から大学進学は難しい」と言われる理由を進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が解説します。 また、大学進学に向けた学校選びのコツも紹介するので参考にしてください。 |
【通信制高校が気になる方へ】
通信制高校から大学進学が難しいと言われる4つの理由
ここでは、通信制高校から大学進学が難しいと言われる4つの理由を取り上げます。
- 学習指導を受ける機会が少ない
- 受験への意欲が保ちづらい
- 勉強量が不足する
- 進路のアドバイスを受けられない
理由1. 学習指導を受ける機会が少ない
通信制高校は、自宅での学習やレポート作成・提出で単位を修得します。そのため、全日制高校に比べると学習指導を受けづらい可能性があります。
通信制高校の学習面でのデメリット
- 対面授業が少なく、教師に質問する機会が少ない
- 生徒一人あたりの教員数が少ない学校もある
- 自習室や図書室など学習に適した環境が整っていないこともある
自分のペースで学習を進められるのはメリットですが、自学自習だと苦手分野を克服できず、受験対策が滞る可能性があります。
理由2. 受験への意欲が保ちづらい
通信制高校は通学頻度が少ないです。
通信制の通学頻度の例(都立高校)
- 年間20~24日(土曜日)
- 年間5日程度(WEB学習コース)
大学進学に向けて励まし合う仲間など、受験を意識しやすい環境が周囲になく、受験勉強への意欲が保ちづらい可能性があります。
理由3. 勉強量が不足する
通信制高校の課題だけでは、大学進学に必要な勉強量が不足する可能性があります。
通信制高校での勉強量が不足する理由
- 高校卒業を前提としたカリキュラムになっている場合が多い
- 定期テストや模擬試験の機会が少ない
- 夏期・冬期講習がない学校もある
自分で勉強の習慣を確保するのが課題になる方もいるでしょう。
理由4. 進路のアドバイスを受けられない
大学進学に向けた進路支援が充実していない通信制高校もあります。
実際、通信制の生徒の進路未定率は低くなることが多いです。
学校
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進路未定率
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---|---|
通信制高校(狭域)
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52.5%
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通信制高校(広域)
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68.2%
|
全日制・定時制高校(都立)
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9%
※家事手伝い、外国の高校・大学等に入学、進学・就職しない者の割合
|
出典:文部科学省「高等学校通信教育の現状について」・東京都教育委員会「3 高等学校卒業者(全日制及び定時制)の進路状況」
全日制と通信制の生徒では、進路決定率に大きな差があることが分かります。
進路情報を自分で集めたり、志望校に合わせた受験対策をしたりするのは簡単ではありません。
【通信制高校が気になる方へ】
大学進学に向けた通信制高校選び|4つのコツ
ここでは、大学進学に適した通信制高校を選ぶ4つのコツを紹介します。
- 大学進学の支援が充実した私立を選ぶ
- 志望校に強い学校を選ぶ
- 指定校推薦の枠がある学校を選ぶ
- 大学進学に強いサポート校を選ぶ
大学進学に強みを持つ学校を選べば、先ほど紹介した「進学が難しい理由」を解消できます。
大学進学の支援が充実した私立を選ぶ
公立よりも私立通信制高校のほうが大学進学率が高いです。
大学等進学者 |
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---|---|
公立
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1,260人(13.9%)
|
私立
|
15,162人(24.4%)
|
抜粋:295 状況別卒業者数(「令和4年度 学校基本調査」文部科学省)
私立の場合、希望に応じて通学頻度を増やせたり、毎日通学できるコースを設置していたりする学校も多いです。
また、大学進学コースがあり、進学実績が豊富な学校もあります。
志望校に強い学校を選ぶ
大学ごとに入試の特徴は異なります。
すでに志望大学が決まっているなら、志望校に適した受験対策を受けられる学校を選びましょう。
受験対策の例
- 国公立・医歯薬系・難関私立大学向け
- 海外大学・留学プログラム
- 総合型選抜対策
- 志望校に合わせた個別カリキュラム作成
また、志望校への合格実績が豊富な通信制高校を選ぶことも大切です。各学校のHPやパンフレットで、最新の進学状況を確認しましょう。
指定校推薦の枠がある学校を選ぶ
通信制高校でも指定校推薦で大学進学が可能。
指定校推薦での受験は一般入試よりも合格率が高いです。
ただし、指定校推薦を受けるためには、校内の推薦基準を満たし、選抜される必要があります。
指定校推薦の基準(第一学院高校の例)
- 評定平均
- 学校での生活態度
- レポート提出の状況
- スクーリング出席率
- 定期試験での成績
各学校によって、推薦条件は異なるので確認しましょう。
また、グループ校・系列校への内部推薦・優先進学制度を設けている通信制高校もあります。
志望校の推薦枠を持つ通信制高校を探してみましょう。
大学進学に強いサポート校を選ぶ
大学進学に強みを持つ通信制サポート校を利用するのも良いでしょう。
サポート校に通うことで充実した受験対策を受けられるでしょう。
サポート校の受験対策の例
- 個別指導や少人数制授業
- 予備校・進学塾と提携した講座
- 大学入試情報や進路指導
- 個別のカリキュラム作成・習熟度授業
- カウンセラーによる心の支援
サポート校は通信制高校の学費に加えて費用がかかります。利用を検討する場合は、事前に問い合わせましょう。
【通信制高校が気になる方へ】
【分野別】大学進学に強い通信制高校一覧
最後に、分野別で大学進学に強い通信制高校を紹介します。
特徴
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学校名
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進路サポート
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進学実績
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進学塾・予備校と連携
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サイル学院高等部
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やる気と成績を伸ばす技術を身につけた個別指導塾のプロ講師による「1対1の完全個別の勉強サポート」 |
第一志望合格率90.9%(2023年度) 東京理科大学、青山学院大学、中央大学、法政大学、関西学院大学 他(提携塾の実績) |
トライ式高等学院(特進科)
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受験対策専門講師によるマンツーマン指導 志望校向けの個別学習カリキュラム |
進学率69.2% 東京医科歯科大学、北海道大学、一橋大学、早稲田大学、明治大学 他 |
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わせがく高校(全日型・週5日制)
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中学校の総復習からスタート・少人数制授業 早稲田予備校授業料無料 |
進路決定率85.1%(2021年度全日型卒業生対象) 東京工業大学、筑波大学、立教大学、中央大学、法政大学 他 |
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大学進学コースが充実
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クラーク記念国際高校(スマートスタディコースⅲ)
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オンライン動画授業と通学プロジェクト学習 創学ゼミナールがプロデュースの受験対策カリキュラム コーチング担任と作るオリジナル時間割 |
千葉大学、静岡大学、上智大学、津田塾大学、南山大学 他
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一ツ葉高校(大学進学コース)
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個別の学習プランに基づく到達度別少人数指導 大学受験専門講師による個別サポート |
東京工業大学、お茶の水女子大学、早稲田大学、国際基督教大学(ICU)、立命館大学 他
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中央高等学院(大学入試コース)
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少人数制のレベル別授業・個別補習 進路指導・個別面談 |
筑波大学、電気通信大学、早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学 他
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ヒューマンキャンパス高校(AI大学進学コース)
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個別のカリキュラムを提案するAI学習「atama+」 スタディサプリによる動画学習 |
北海道情報大学、宮城大学、新潟経営大学、明治大学、学習院大学 他
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鹿島学園高校(進学コース)
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学力の定着度に応じた習熟度別クラス 放課後ゼミや夏期・冬期講習 |
東京学芸大学、会津大学、関西学院大学、國學院大學、成蹊大学 他
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指定校推薦・グループ校への進学
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ルネサンス高校
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400以上の大学からの指定校推薦枠 ダブルスクールコース(進学)も選択可能 |
札幌学院大学、埼玉学園大学、大阪商業大学、関西国際大学、九州産業大学 他
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サイル学院高等部 |
350以上の国内大学指定校推薦(提携校) 100以上の海外大学協定校推薦 |
東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、立命館大学 他(提携校の実績) |
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第一学院高校
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指定校推薦244校
グループ大学への内部進学(新潟産業大学 他)
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新潟産業大学、東洋大学、常磐大学、獨協大学、法政大学 他
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目黒日本大学高校
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日本大学への推薦制度あり(基礎学力到達度テストの結果により)
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日本大学(法学部、文理学部、経済学部、芸術学部、生物資源科学部 他)
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星槎国際高校
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指定校推薦あり 内部進学(星槎大学・通信課程、星槎道都大学) |
進学希望者決定率90% 星槎道都大学、札幌学院大学、札幌国際大学、東北学院大学、東洋大学 他 |
通信制高校が気になる方へ
大学受験の対策が受けられる通信制高校なら、進学も夢ではありません。
むしろ、高い評定が取りやすく、自由時間に自分の興味を深めやすい通信制なら、学校推薦型選抜や総合型選抜で全日制よりも有利な場合もあります。
通信制高校に興味がある方は、どういった学校があるのか、一度調べてみてください。
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【通信制高校が気になる方へ】
この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
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