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通信制高校にも普通の子はいる?入学するデメリットを解説

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「普通の子でも通信制高校に通っていいのだろうか」と疑問に感じていませんか。

通信制高校に興味があっても、どんな生徒が通っているのか、通うことでデメリットはあるのかなどが分からなければ、入学するかどうか決められないですよね。

しかし通信制高校と一括りにしても、学校によって特徴は様々。

「普通の子が通信制高校に通うのは変」「全日制高校に通うのが普通」などと決めつけず、自分に合った学校を選ぶことが大切です。

 通信制のサイル学院長

今回は、通信制高校にはどんな人が通っているのか、進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が解説します。


また、普通の子が通信制高校に通うメリットやデメリットについても解説しますので、参考にしてください。

【通信制高校が気になる方へ】

目次[非表示]

  1. 1.「普通の子」とはどんな人を指す?
  2. 2.通信制高校にはどんな生徒が通っているのか?
  3. 3.「普通の子」が通信制高校に通うデメリット3つ
  4. 4.「普通の子」が通信制高校を選ぶメリット3つ
  5. 5.まとめ

「普通の子」とはどんな人を指す?

そもそも「普通の子」という表現自体、どんな人を指しているのか曖昧です。

そこで、本記事では「普通の子」を指す対象を割合として大きい「全日制高校の生徒」と定義します。

check全日制高校と通信制高校の生徒数割合(令和4年度)

  • 全日:89.1%
  • 通信:8.3%
  • 定時:2.2%

典拠:「令和5年度(速報) 学校基本調査」記載の生徒数から算出

そして「普通の子でも通信制高校に通っていいのだろうか」という疑問は、「全日制高校に通っている生徒でも通信制高校に通ってもいいのか」という疑問に置き換え、解説を進めます。

【通信制高校が気になる方へ】

通信制高校にはどんな生徒が通っているのか?

通信制高校に在籍する生徒の実態について、下記の調査があります。

通信制高校 在籍生徒の実態について
 
通信制高校(広域)

小・中学校及び前籍校における不登校経験がある生徒

66.7%

外国とつながりがある(外国語・日本語を母語としない)生徒

2.4%

ひとり親家庭の生徒

18.7%

非行経験(刑法犯罪等)を有する生徒

4.1%

特別な支援を必要とする生徒

3.0%

心療内科等に通院歴のある生徒

4.8%

出典:『高等学校通信教育の現状について』文部科学省 初等中等教育局 参事官(高等学校担当)付

特に多いのは「小・中学校及び前籍校における不登校経験がある生徒」です。

全高校生のうち、長期欠席生徒の割合は1.7%とのデータがあります。(出典:『令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について 』文部科学省)

この点から、通信制高校には不登校経験を持った生徒が多く通っているという事実は見えてきます。

しかし不登校の理由は様々であり、「不登校経験がある生徒が普通でない」や「不登校でない生徒が普通である」ということはできません。

あくまで「どんな背景を持つ生徒が通っているのか?」という点に関して「こんな生徒が何%いる」という参考に留めておきましょう。

【通信制高校が気になる方へ】

「普通の子」が通信制高校に通うデメリット3つ

「普通の子」が通信制高校に通うデメリットになり得る要素は3つあります。

  • 友達を作る機会が少ない
  • 進路のアドバイスを受ける機会が少ない
  • 自学自習が必要

デメリット1. 友達を作る機会が少ない

通信制高校は通学の頻度が低く、友達を作る機会は少ないです。

全日制高校に毎日通学して、毎日友達と顔を合わせる生活に慣れた人からすれば、物足りなさを感じるかもしれません。

しかし、通学頻度を選べる学校もあります。学校に通って授業を受けたいなら、週3〜5日通学などの定期的なスクーリングがある学校を選びましょう。

また、オンライン上で生徒同士がコミュニケーションを取れる学校もあります。

グループワークに参加し、チャットで意見交換したり質問するなど積極的に参加すれば、全国に友達を作ることもできるでしょう。

デメリット2. 進路のアドバイスを受ける機会が少ない

進路支援が充実していない通信制高校もあります。

実際、通信制高校の進路未定率は低い傾向にあります。

学校
進路未定率
通信制高校(狭域)
52.5%
通信制高校(広域)
68.2%

全日制・定時制高校(都立)

9%

※家事手伝い、外国の高校・大学等に入学、進学・就職しない者の割合

出典:文部科学省「高等学校通信教育の現状について」・東京都教育委員会「3 高等学校卒業者(全日制及び定時制)の進路状況」

通信制高校に入るなら、目的に沿ったコースを選ぶことがおすすめです。

例えば、大学合格を目指すなら、進学コースがある通信制高校を選ぶとよいでしょう。

学習塾と連携し、志望校に合わせた個人別のカリキュラムを作ってくれる学校もあります。

国公立大学や医学部に進学実績がある通信制高校なら、難関大学も目指せます。

また、大学への指定校推薦枠がある通信制高校を選べば、受験勉強なしで大学進学できる可能性が高いです。

自分の目的に合った学校を選べば、希望に沿った進路支援を受けることができるでしょう。

デメリット3. 自学自習が必要

通信制高校は自分で計画を立て、レポートを提出し、試験に合格することで単位を修得していきます。

マイペースで学習できるのはメリットですが、学習管理を自ら行う必要があります。

ただし、自己管理が苦手な人は、学習支援が充実した通信制に通うという手があります。

先生が学習の進捗状況をチェックし、声掛けをしてくれたり、相談に乗ってくれたりする学校を選びましょう。

【通信制高校が気になる方へ】

「普通の子」が通信制高校を選ぶメリット3つ

普通の子が通信制高校を選ぶメリットは3つあります。

  • 自分のペースで学べる
  • 多彩なカリキュラムを受けられる
  • 自己肯定感が高まる

メリット1. 自分のペースで学べる

通信制高校では学習の理解度に合わせ、個人別にカリキュラムが組めるので、自分のペースで学べます。

学校生活や学習面に不安がある方は、先生やカウンセラーの支援を受けられたり、インターネットを活用した学習教材を提供してもらえたりする学校を選ぶこともおすすめです。

また、毎日登校する必要がなく、空いた時間をアルバイトや仕事、受験や資格の勉強などに充てられたり、将来についてじっくり考える時間が取れます。

メリット2. 多彩なカリキュラムを受けられる

通信制高校の中には、美容やアニメ、スポーツやビジネスなど、専門的なカリキュラムが受けられる学校があります。

すでに興味のある分野が決まっている人は、その興味をより深く学べます。将来やりたいことがまだわからない人でも、いろいろな分野に挑戦すると、視野が広がるでしょう。

「自分の興味あることを深めたい」という思いがあるなら、通信制高校は良い環境となる可能性があります。

メリット3. 自己肯定感が高まる

通信制高校では、自分を肯定的に捉えられる経験ができます。

個別指導や少人数クラスでの授業が多いので、一人ひとりに先生の目が行き届き、先生から励ましてもらえたりアドバイスをもらえる学校が多いです。

そして、進路支援が充実している学校を選べば、生徒に合わせて、進路指導が受けられます。

このように生徒を応援してくれる学校を選べば、自分に自信を持て、将来に向けて積極的に行動できるでしょう。

通信制高校では自己管理や自発的な行動が必要ですが、自分を律し、行動を起こす経験を積めば、自信や自己肯定感が高まります。

通信制高校が気になる方へ

「普通の子」が通信制高校に通うのは珍しいと思われるかもしれません。

しかし、2000年には113校だった通信制高校は、2023年には288校(典拠:「令和5年度(速報) 学校基本調査」)にまで増加し、生徒数も増えています。

これからの時代、通信制高校に通うという選択が当たり前になる可能性もあるのです。

また、大切なのは普通かどうかでなく、あなたに合っているかどうかです。

「全日制か通信制か」という基準でなく、「自分に合った学校はどこか」という基準で学校を探してみましょう。

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【通信制高校が気になる方へ】

この記事を書いた人

サイル学院中等部・高等部 学院長
松下 雅征/Matsushita Masayuki
サイル学院中等部・高等部 学院長

1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「 サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「 13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。