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通信制高校からの就職は難しい?就活を有利にする4つのコツを解説

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「通信制高校を卒業しても就職はできる?」と不安を感じていませんか。

「通信制高校を卒業すると就職ができない」などの声を耳にすると不安になるかもしれませんが、そんなことはありません。

 通信制のサイル学院長

本記事では、「通信制高校を卒業すると就職は難しいのか」について進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下がデータをもとに解説します。
また、通信制高校からの就職を有利にする方法も紹介します。ぜひ、参考にしてください。

【通信制高校が気になる方へ】

目次[非表示]

  1. 1.通信制高校を卒業したら就職は難しい?
  2. 2.通信制高校を卒業して就職する4つのコツ
  3. 3.まとめ

通信制高校を卒業したら就職は難しい?

まずは、通信制高校を卒業したら就職が難しくなるのか、データをもとに解説します。

内定率

公立高校の就職希望者のうち、卒業時に内定している人の割合は以下の通りです。

  • 全日制普通科:96.4%
  • 通信制・定時制:85.5%

出典:全日本教職員組合(全教)・全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)「2021年度 高校生の就職内定実態調査(10 月末)」

全日制高校と比べると、通信制・定時制の内定率はやや低いものの、就職希望者の大半は内定していることが分かります。

雇用形態

次に内定先の実態を読み解いていきます。

通信制高校を卒業後に就職した人の雇用形態は、公立・私立ともに、無期雇用労働者(正社員など)の人数が最多です。

通信制高校を卒業した後の雇用形態(人)
 
自営業者

無期雇用労働者
(正社員など)

有期雇用労働者
(任期付き・派遣)

臨時労働者
(短期派遣など)

公立
66
1,514
293
429
私立
544
7,716
2,244
1,064

出典:文部科学省「学校基本調査」(令和4年度)

公立と私立の就職者割合

さらに、通信制高校の公立・私立別に、卒業した生徒数に占める就職者の割合を見てみましょう。

通信制高校を卒業した後の就職者数の割合(人)(令和4年)

 

卒業した生徒数(全体)

①自営業主等
②無期雇用労働者
③有期雇用労働者
④臨時労働者
就職者数(①〜④の合計)

就職者割合

公立

9,001

66
1,514
293
429

2,302

25.57%

私立

61,992

544
7,716
2,244
1,064

11,568

18.66%

出典:文部科学省「学校基本調査」(令和元年~4年)

表から、公立の方が卒業生徒数に占める就職者数の割合が高いことが分かります。

ただし、ある調査(*1)によると、2015年における卒業率は公立が16.7%、私立が32.5%と、公立の方が卒業率が低いです。

つまり

  • 私立:卒業率は高いが就職率は低い
  • 公立:卒業率は低いが就職率は高い

ということですが、公立に比べて私立の就職率が低い理由は、就職したいけどできない人が多いわけではないと考えられます。

私立の通信制高校は進学支援に力を入れている学校も多いので、そもそも私立の通信制に通う生徒は進学(就職以外の進路)を希望していることが理由にあると推測されます。

そのため、私立より公立の方が就職率が高いからといって、就職しやすいわけではないでしょう。

*1 大久保智久「通信制高校の現状と卒業率に関わる要因の調査分析」

【通信制高校が気になる方へ】

通信制高校を卒業して就職する4つのコツ

全日制高校と比べると、通信制・定時制は内定率が低いため、不安に感じたかもしれません。

しかし、通信制高校ならではの「就職を有利にするコツ」があります。

資格や専門知識を修得する

通信制高校ならではの自由な時間を活かし、在学中に資格や専門知識を修得すると、就活の際に強みとなります。

資格や専門知識を得るために努力や工夫したこと、即戦力として働けることもアピールできます。

check通信制高校で取得できる資格の例

  • 美容師免許
  • 調理師免許
  • 簿記
  • 英検・TOEIC・TOEFL
  • トリマーやペット販売士などの動物系の資格 他

自己アピールにつながる経験をする

通信制高校は自学自習が基本。自己管理をしながら学習に取り組める点はアピールできるでしょう。

また、卒業のための勉強以外の物事にも主体的に取り組めば、個性的なアピールポイントにもなります。

通信制高校は通学頻度が低いため、課外活動に取り組みやすいことが強みです。

check自己アピールになる経験の例

  • インターンシップ
  • ボランティア活動
  • クラブ活動
  • 留学
  • 語学や料理、プログラミングなど、趣味を深めたり知識を広げられる活動

自分自身の興味や目標に応じて、積極的に活動してみましょう。

就職支援が充実している学校に入学する

通信制高校の中には、手厚い就職支援を行っている学校があります。

支援が充実した学校を選ぶと安心です。

check就職支援の例

  • キャリアカウンセラーによる進路相談
  • 履歴書添削・面接対策
  • 求人情報の提供
  • キャリアセミナーなどの就職イベントの実施 など

学校選びの際は、就職支援や就職実績を確認しましょう。

【通信制高校が気になる方へ】

積極的に求人情報を収集する

全日制高校と比べ、通信制高校に届く求人票(企業が求人情報を記載した資料)は少ないという声もあります。

しかし、求人票が学校に届かなかったとしても、以下の方法で求人情報を探すことが可能です。

check求人情報の探し方

  • 厚生労働省 高卒就職情報WEB提供サービス(学生が直接閲覧できないので、先生に依頼)
  • ハローワークの求人検索や窓口で相談
  • 求人情報サイトを利用
  • 就職エージェントに依頼

学校に届いた求人票のみを選択肢とせず、できるだけ自分から情報を集め、より良い就職先を探しましょう。

また、高校生の就活は、学校推薦を受けて企業に応募する方法(学校斡旋)が一般的なので、先生と連携を取りながら進めることが大切です。

通信制高校が気になる方へ

通信制高校を卒業すると就職は難しいというイメージがあるかもしれません。

しかし、就職支援が充実している学校に行く、自由な時間を活かして様々な経験を積むなどをすれば、全日制の高校に通うより就職が有利になることもあります。

通信制高校に通いつつ、志望する会社に就職したいという方は、就職支援が充実した通信制高校を探してみてはいかがでしょうか。

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【通信制高校が気になる方へ】

この記事を書いた人

サイル学院中等部・高等部 学院長
松下 雅征/Matsushita Masayuki
サイル学院中等部・高等部 学院長

1993年生まれ、福岡市在住。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は7万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流で勤務。
2022年、株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して通信制オンラインスクール「 サイル学院高等部」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「 13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。1児の父。
YouTubeチャンネル: @matsushita_shinro