高校を留年する2つの基準|留年の救済措置や留年後の選択肢も解説
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「高校を留年するかもしれない」
「留年しないで済む方法はないか」
このように悩んでいませんか。
まずは落ち着いて、留年になる基準を把握しましょう。留年の基準を理解すれば、自分の立ち位置を正確に把握できます。
進路相談のプロ
本記事では、留年の基準と留年の救済措置について解説します。 また、留年後の4つの選択肢について、進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下がお伝えします。 |
【高校の留年が心配な方へ】
高校の留年を決める「2つの基準」
留年しないためには、単位を修得しなければなりません。
単位修得の基準は以下2つです。
- 成績
- 出席日数
高校で留年しないためには、どちらの基準も満たしている必要があります。
成績
課題の提出やテストの点数で成績は決まります。
テストで基準以下の点数(赤点)を取ると単位を落とす可能性があります。
赤点の基準は学校や教科によって変わります。
赤点の基準の例
- 34点以下(中越高校)
- 40点以下(大阪学院大学高校)
何度も赤点を取ると、単位を落とす可能性が高いです。
また、テストの結果が基準点に達していても、生活態度が悪かったり、課題を提出していなかったりすると、成績が下がることもあります。
出席日数
年間の出席日数が3分の2未満だと単位が修得できないという規定のある高校がほとんどです。
単位認定に関する規程(沖縄県立泊高校)
- 前期、後期を合わせて、年間実時数の3分の2以上を履修し、その成果が満足できると認められる場合、1単位の修得を認める。
全日制高校の約9割の総授業日数は190~209日。
つまり、1年間で60日前後欠席すると、留年の可能性が出てきます。
遅刻の回数や時間も、欠席としてカウントされることがあるので気をつけましょう。
- 遅刻、早退は3回をもって欠席1回扱い(大阪学院大学高校)
出席日数の基準は高校によって異なるので、自分の学校のルールを把握しましょう。
【高校の留年が心配な方へ】
高校の留年を防ぐ救済措置
留年の可能性が高まってきたら、学校側から生徒や保護者に連絡が入るはず。
その際、「どうしたら留年を回避できるか」の提案も一緒にされることが多いです。
留年を防ぐための救済措置には、以下の2つがあります。
- 追試
- 補習
与えられたチャンスに前向きに取り組めば、留年せずに次の学年に進める可能性もあります。
追試
追試とは、もう一度テストを受けること。
追試で基準点以上を取れば、留年を避けられる可能性があります。
考査に関する規定(埼玉県浦和東高校)
- 不認定科目をもつ者は追認定考査を受けることができる。
追試を受験しなければ、単位を修得することはできません。
補習
放課後や夏休み・冬休みなどを利用して補習を受ければ、単位認定する学校もあります。
学習会に関する規定(中村学園三陽高校)
- 各学期ごとに単位を補う学習会を開催
- 1学期:夏休み終了まで
- 2学期:冬休み終了まで
- 3学期:年度末まで
補習にしっかり参加すれば意欲を認めてもらえるかもしれません。
【高校の留年が心配な方へ】
高校の留年が決まったら…検討すべき4つの選択肢
高校の留年が決まった場合の選択肢を説明します。
それぞれのメリット・デメリットを考えて、自分に合った選択をしましょう。
同じ学年をやり直す
もう一度同じ学年をやり直すことができます。
メリット
- 転校や退学の手続きが不要
- 慣れた環境で学習の遅れを取り戻せる
デメリット
- 以前に受けた授業をもう一度受け直すことになる
- 下級生と同じクラスになるので、人間関係に悩むことがある
同じ学校でやり直す場合は、留年した理由をしっかり考え、再び留年しないよう努力することが大切です。
就職する
高校を中退して就職する選択肢もあります。
メリット
- 早くから社会経験を積める
- 収入を得られるので自立しやすい.
デメリット
- 一部の職種は高卒・大卒の学歴が必要なので、目指しにくくなる
- 学歴要件のある資格取得が難しいためスキルアップしにくい
高校を中退すると履歴書の最終学歴が「中卒」になります。
こちらの記事で、高校中退後の現状について解説したので参考にしてください。
高卒認定資格を取る
高校中退後に、高卒認定資格(高等学校卒業程度認定試験)を目指すのも一つの方法です。
メリット
- 大学や専門学校の受験資格が得られる
- 国家資格や採用試験の受験資格を得られる
デメリット
- 「高卒資格」は得られない
- 大学・専門学校に進学しなければ最終学歴は「中卒」のまま
令和4年度の合格者数は約8千人、合格率は40%です。
合格科目は次回以降の試験で免除されるので、1回の試験で全科目(8~10科目)合格する必要はありません。
また、高校1年生や2年生で中退した場合、すでに単位を修得した科目は試験免除になります。
試験の内容や日程、受験資格などを知りたい方は、文部科学省の公式サイトで確認しましょう。
通信制高校に転校する
高校の留年が決まったら、通信制高校に転校する人もいます。
メリット
- 通学頻度や学習方法など自分のペースで高校卒業を目指せる
- 単位を引き継げれば、3年間で卒業できる可能性がある
デメリット
- 勉強の習慣がない場合は高校卒業が大変
- 交流の場が少ないので友だちを作りづらい
通信制は学校によって特色が異なります。学費やカリキュラム、サポート体制など自分に合う学校を選びましょう。
通学ができずに留年した方は、通学頻度が低い通信制高校がおすすめ。
通信制のサイル学院の登校日は年1回のみ。何年生でも何月でも転入学できます。
【高校の留年が心配な方へ】
高校の留年が心配な方へ
高校を留年しそうになっていても焦らないでください。
多くの学校では、生徒を簡単に留年させないためのサポートがあります。先生に相談しながら、留年しないためにできることをやってみましょう。
もし留年することになったとしても、いろいろな選択肢があります。
特に、通信制高校に転校すれば、自分のペースで学校に通いながら、高校卒業を目指すことが可能です。
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【高校の留年が心配な方へ】
この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
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