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高校中退の末路は悲惨?後悔しない4つの選択肢を徹底解説

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「高校を中退したら悲惨な末路が待っているって本当?」と不安を感じていませんか。

しかし、高校を中退したからといって、必ずしも将来が悲惨になるわけではありません。

不安を解消するには、中退した人たちがどんな進路を歩んでいるのかを知ることが大切です。

 進路相談のプロ

本記事では、データを元に「高校中退後の末路はどうなるのか」を進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が解説します。
また、高校中退後に後悔しない4つの選択肢も紹介。ぜひ、参考にしてください。

【高校をやめたい方へ】

目次[非表示]

  1. 1.「高校を中退したら悲惨な末路が待っている」は誤り
  2. 2.高校中退の末路を悲惨にしない4つの選択肢
  3. 3.まとめ

「高校を中退したら悲惨な末路が待っている」は誤り

結論、高校を中退したからといって将来が閉ざされることはありません。

ここでは、高校中退後2年以内の人を対象にした調査データを参照しながら解説します。

高校中退者の末路:8割以上が就職・転学

調査によると、高校中退者の8割以上が、就職または在学していることが分かります。

高校を中退した人が現在していること(調査数:1,176人)

現在していること

人数(割合)

仕事を探している

159人(13.6%)

働いている

660人(56.2%)

在学中

362人(30.8%)

妊娠中・子育て

63人(5.4%)

家事・家事手伝い

129人(11.0%)

その他

82人(7.0%)

特に何もしていない

47人(4.0%)

出典:内閣府「若者の意識に関する調査」(平成23年3月)

高校を中退しても「悲惨な末路を迎えている」とは言えず、それぞれが中退後の進路を見つけていると言えます。

「正社員になれない」も誤り

「就職はできても、正社員になることは難しいのでは?」と不安に感じるかもしれません。

確かに、同調査によると「働いている」と答えた人のうち、フリーターやパートが約8割を占めています。

高校中退者の「働いている」の内訳(調査数:661人)
現在していること

人数(割合)

正社員・正職員

113人(17.1%)

フリーター・パート

510人(77.2%)

家の商売や事業

40人(6.1%)

しかし、この結果は本人の意思が少なからず影響していると考えられます。下記をご覧ください。

高校を辞めた時点での将来の見通し (調査数:905人)
見通し

人数(割合)

アルバイトとして働くつもりだった

409人(35.9%)

別の高校に再入学するつもりだった

269人(23.6%)

正社員として働くつもりだった

126人(11.1%)

どうしていいかわからなかった

101人(8.9%)

「正社員として働くつもりだった」と回答した人は11.1%。

「正社員・正職員」として働いている人数の17.1%と近いです。

この結果から「中退段階で正社員を目指せば、正社員・正職員になれる可能性がある」と考えられます。

8割は中退を後悔していない

ここまでで、中退後の進路が悲惨になることは少ないということが分かりました。

ただ、重要なのは中退を後悔していないかどうか。どんな進路だろうと、自分が納得しているかが大切だからです。

先ほどの調査によると、高校中退を後悔している人は2割程度でした。

「高校を辞めたことを後悔しているか」に対する回答(調査数:1,176人)

回答

人数(割合)

後悔している

278人(23.7%)

後悔していない

551人(46.9%)

どちらとも言えない

337人(28.7%)

無回答

7人(0.6%)

なお就職・転校など、どの進路でも「後悔している」と答えた人は2割程度となっています。

【YouTube公開】後悔しない進路の選び方を学院長が解説

この結果から、大半は中退した事自体を後悔してはいないことが分かります。

【高校をやめたい方へ】

高校中退の末路を悲惨にしない4つの選択肢

後悔する人は少ないですが、同調査から約8割の人が高卒の資格は必要だと感じているという結果が出ています。

「中退後、高卒の資格は必要だと考えたか」に対する回答(調査数:1,175人)

回答

人数(割合)

高卒資格が必要

921人(78.4%)

高卒資格が不要

250人(21.3%)

中退に後悔はなくとも、高卒資格は取った方がいいと考える人が多いようです。

ここでは、高卒資格を取得する進路も含め、中退後に選べる4つの選択肢を解説します。

選択肢1. 他校に編入

高校中退後に再び高校に入学することを「編入」と呼びます。

高校へ編入するには?中途退学後に高卒資格を得る方法を解説

先ほどの調査によると、30.8%の人が「在学中」と回答。3割程度が編入を選んでいることを示しています。

各種の高校(全日・定時・通信)への編入にはそれぞれ特徴があります。

全日制高校

全日制高校への編入は比較的難易度が高く、国語・数学・英語の学力試験に合格する必要があります。

また、希望する学年に欠員がなければ募集されないことも。

全日制への編入は、入学可能な時期が限定されている点に注意が必要です。

check全日制への編入例(都立高校)

  • 募集状況の発表:3月上旬
  • 入学願書の受付:3月中旬
  • 入学検査日:3月中旬
  • 入学時期:学年の始め(第1学期)

全日制高校へ転校したい!公立・私立の転校手続きや疑問点を解説

定時制高校

定時制高校には偏差値がないため、編入は比較的簡単です。ただし、編入可能な時期は、全日制高校と同じように学年の始め(第1学期)のことが多いです。

定時制の場合も、定員に空きがなければ編入できません。

通信制高校

通信制高校も編入は比較的簡単です。

check通信制高校に編入しやすい理由

  • 偏差値がない
  • 学科試験よりも面接・作文試験が多い
  • 複数の都道府県から入学できる
  • 編入できる時期が多い
  • 単位制なので学年を気にしなくてもよい

先ほどの調査によれば、「在学中」と回答した人のうち49.7%が通信制高校に通っています。

高校中退の理由として多いのは、「欠席が多く進級できそうにない」ことや、「校風が合わない」ことです。

通信制高校は、自宅学習と年何回かの通学で卒業を目指せる学校です。そのため、自分のペースで学校に通いたい方に適しています。

通信制高校とは?授業内容・学費・メリットをわかりやすく解説

選択肢2. 高卒認定資格を取得する

高卒認定資格(高等学校卒業程度認定試験)を取得することも選択肢の1つです。

令和4年度は、高校中退者・不登校生徒の約20,000人の受験に対し、8,000人程度が合格しています。

高卒認定資格を取得すれば、大学進学も可能です。

さらに、一部の国家試験や採用試験の受験資格も得られます。

check受験可能な国家試験・採用試験の例

  • 幼稚園教員資格認定試験
  • 小学校教員資格認定試験
  • 保育士試験
  • 国家公務員採用一般職試験
  • 税務署職員採用試験

出典:2023高等学校卒業程度認定試験パンフレット(一般用)

ただし、高卒認定試験に合格しても、高校を卒業したことになるわけではありません。

大学へ進学しない場合、学歴は「中卒」のままであることに注意が必要です。

選択肢3. 就職・起業する

高校中退後に就職を選択する人は多くいます。

履歴書には最終学歴として「中卒」が記載されるため、高卒や大卒以上の学歴が求められる一部の職には就けなくなります。

check学歴要件のある職種の例

  • 公務員
  • 教員
  • 医療関連職(医師、看護師など)
  • 法律関連職(弁護士、司法書士など)

しかし、学歴に関わらず就職可能な職種は多いです。

また、起業する人も増えています。これらの方法は学歴の制約がなく、自由な働き方が可能です。

通信制高校からの就職は難しい?就活を有利にする4つのコツを解説

選択肢4. 海外留学する

海外留学は、周囲との関係性がリセットされるため、人間関係の悩みや不登校を理由に高校を中退した方々にとっては、新たな環境でスタートするきっかけになるかもしれません。

また、留学経験が評価され、一部の大学では帰国子女枠での入学が可能となる場合もあります。

しかし、留学には多額の費用がかかることや、新たな環境に慣れるための体力や精神力が必要になることなど、慎重に考えなければならないことが多いです。

特に、高校中退後に海外の高校に編入を考える方は、日本での学習成果が必ずしも認められず、高校1年生からのスタートとなる可能性があることも考えておきましょう。

高校をやめたい方へ

高校を中退したからといって、必ずしも末路が悲惨なものになるわけではありません。

重要なのは「自分がどんな進路を歩みたいのか」をじっくりと考え、そのために行動することです。

今の高校をやめたいけれど、高卒資格はほしい。そんな方には、毎日学校に通う必要がなく、好きな専門科目を学べる通信制高校がおすすめです。

気になる学校があれば、資料請求などで詳しく調べてみましょう。

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【高校をやめたい方へ】

この記事を書いた人

サイル学院中等部・高等部 学院長
松下 雅征/Matsushita Masayuki
サイル学院中等部・高等部 学院長

1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「 サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「 13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。