通信制高校でスクーリングなしの卒業は可能?最小限に抑える方法を解説
記事を読むのにかかる時間 3分
通信制高校について興味を持ち調べる中で「スクーリングなしで卒業できる」という情報を見かけることもあるかもしれません。
しかし実際には、すべての通信制高校で卒業するためにスクーリングが必要です。
ただし、私立の通信制高校では、スクーリングを年間数日程度まで抑えることも可能です。
進路相談のプロ
本記事では、スクーリングにできるだけ通いたくない方へ、進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が、スクーリングを最小限に抑える方法や、通学日数の少ない学校を紹介します。 |
【通信制高校に入学・転入したい方へ】
スクーリングなしの通信制高校は存在しない
「通学せずに卒業できる」と思われがちな通信制高校ですが、スクーリングなしの学校は存在しません。
ここでは、スクーリングなしの通信制高校が存在しない理由を解説します。
高校卒業にスクーリングが必須の理由
通信制高校では、卒業要件にスクーリングへの参加が含まれています。
文部科学省の定める高等学校学習指導要領では、科目により必要なスクーリングの単位時間が決まっています。(*)
- 1単位時間:国語、地理歴史、公民及び数学・保健
- 4単位時間:理科、芸術及び外国語
- 5単位時間:体育
- 2~8単位時間:家庭及び情報・専門教科科目
先生や他の生徒と直接顔を合わせて学ぶことは、学校生活において重要な経験の一つです。
スクーリングを通じてしか得られない貴重な学びや交流の機会があります。
✓スクーリングのメリット
- 分からないことがその場で聞ける
- コミュニケーション能力が育まれる
- 生活習慣が整う
またスクーリングには、教科学習だけでなく、ホームルームや学校行事などの特別活動(30単位時間以上)も含まれます。
この特別活動自体も卒業要件の1つです。
* 参考:各教科・科目の面接指導の単位時間の標準(「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議 資料2最低限必要なスクーリング日数
スクーリングの具体的な日数は、各学校によって異なります。
公立の通信制高校では年間20日程度が目安。一例として、東京都の都立高校通信制の場合は、年間20~24日のスクーリングが必要です。
✓東京都立一橋高校通信制のスクーリング(*)
- 毎週土曜日に授業形式
- 科目によって出席回数が異なる(数学I 3回、生物基礎 8回、体育1 10回、英語コミュニケーションI 12回以上など)
- 1年間に20回以上の特別活動への参加が必要
科目ごとにスクーリングの時間割が決まっているため、自分で時間割を作って通学します。
私立の通信制高校でのスクーリングは、週1〜5回登校や、月に数回、年に5~7日など通学スタイルや日数が異なります。
【通信制高校に入学・転入したい方へ】
スクーリング日数を最小限に抑える方法
通信制高校では、スクーリングなしでの卒業は実現できません。しかし、いくつかの方法を活用することで、登校の負担を最小限に抑えられます。
ここでは、スクーリング日数を減らすための2つの方法について解説します。
メディア学習の活用
メディア学習が導入されている通信制高校もあります。
文部科学省のガイドラインでは、メディア学習を活用することで、科目ごとのスクーリング時間を60~80%まで削減できると定められています。(*)
✓メディア学習の例
- リアルタイムのオンライン授業への参加
- 授業動画の視聴とレポート提出
- インターネット学習教材での学習
- オンラインでの質問対応や個別指導
メディア学習を活用することで、スクーリングの代わりとなる単位を修得できます。
ただし、メディア学習だけで卒業に必要な単位をすべて取得できません。同時に、スクーリング計画も立てる必要があるので注意しましょう。
* 参考:高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン (令和5年2月一部改訂)
集中スクーリングの利用
登校日数を最小限に抑えるもう1つの方法が、集中スクーリングの活用です。
通常のスクーリングは、週に何回か、もしくは月に何回か学校へ通学する必要があります。
しかし、集中スクーリングの場合は、年に数回、まとまった期間にまとめて授業を受けることができます。
多くの場合、夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して行われます。通常の週1-2回の通学と比べていくつかのメリットがあります。
✓集中スクーリングのメリット
- まとまった時間で対面授業が受けられる
- 通学回数を最小限に抑えられる
- 遠方からでも通学が可能
- 仕事や他の活動との両立がしやすい
集中スクーリング時に必修科目の授業や、実技・実習科目、特別活動への参加や進路相談などが可能です。
ただし、集中スクーリングには以下のような注意点があります。
✓集中スクーリングのデメリット
- 宿泊を伴うことが多い(交通費・宿泊費がかかる)
- 数日間の集中的な学習が必要
- 日程が決まっている
- 欠席した場合の振替が難しい
普段はなかなか学校へ通学できない人でも、集中スクーリングなら参加しやすいです。
スクーリングの形態を選ぶ際は、単に日数の少なさだけでなく、自分の学習スタイルや生活パターンとの相性も考慮しましょう。
【通信制高校に入学・転入したい方へ】
定期通学スクーリングなしの通信制高校5選
ここでは、定期的な通学スクーリングなしで単位修得できる通信制高校を5校紹介します。
学校名 | スクーリング | サポート体制 |
サイル学院 高等部 | 年1回・1週間。沖縄県リゾートエリアでのスクーリング | 那覇空港からの無料送迎バス スクーリング前の生徒同士のマッチングサポート 毎月開催なので好きな時期を選べる |
ルネサンス豊田高校 | 年1回・3泊4日。愛知県豊田市でのスクーリング | 1日ずつの分割登校も可能 名古屋駅からバス送迎あり 社会人限定や親子スクーリングもあり |
一ツ葉高校(ゼロ・ライトコース) | 年1回・5日程度。熊本県山都町でのスクーリング | 1人部屋での宿泊や、宿泊施設を自分で選べる 保護者同伴でも参加可能 |
ECC学園高校(フレックスサポートコース) | 年1回・5日程度。滋賀県高島市本校・大阪梅田校でのスクーリング | 大阪梅田校への月2回通学・日帰りスクーリングも選択できる |
興譲館高校 | 年1回・7日間。岡山県井原市本校での5日間の授業、及び笠岡諸島での1泊2日体験学習 | 休みが取りにくい社会人に合わせた日程のスクーリングも可能 |
【通信制高校に入学・転入したい方へ】
スクーリングなしに近い通信制高校を選ぼう
通信制高校は、それぞれの事情に合わせて学習スタイルを選べるのが魅力です。
スクーリングなしの通信制高校はありませんが、メディア学習や集中スクーリングを活用すれば、登校日数を最小限に抑えられます。
サイル学院 高等部のスクーリングは年1回のみ。
毎月開催で、自分の都合に合わせてスクーリング日程を選べるのも魅力です。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
通信制高校を探すなら【サイル学院の資料請求】がおすすめです。
資料請求いただいた方には、サイル学院の学校案内資料に加えて、通信制高校や進路の選び方がわかる資料もプレゼント中です。
「通信制高校のルールがわからない…」
「種類が多すぎてどれを選べばいいか迷う…」
「サイル学院と他校との違いを知りたい」
などの疑問や不安は、サイル学院の資料請求で解決できます。
資料は未成年の方・生徒ご本人も請求いただけます。お気軽に請求ください。
この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
前の記事
スクーリングが少ない通信制高校10選|通学が少ないメリット・デメリットも解説
次の記事
通信制高校のスクーリングに行きたくない方へ|2つの免除方法を解説