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【無料公開】書籍「13歳からの進路相談」おわりに

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サイル学院高等部 学院長・松下雅征の著書「13歳からの進路相談」シリーズ第2弾となる『13歳からの進路相談 仕事・キャリア攻略編(すばる舎)』が、2025年4月に発売されます。

出版を記念して、前作『13歳からの進路相談(すばる舎)』の一部「おわりに」を無料公開!

「13歳からの進路相談」シリーズは、全国の学校や市区町村の図書館で多数採用されている進路選択・キャリアの入門書。はじめての進路選びや、将来やキャリアの目標を見つけるヒントが満載の一冊です。

これから進路を考える方から、お子様を持つ保護者の方、自分のキャリアを見直したい大人まで。この機会に、ぜひご一読ください。

ご購入は記事末尾の各販売サイトからどうぞ。

新しい学校をつくる理由

私たちは、一人ひとりが異なる才能を持っている。

みんなが自分の才能に気づき、発揮できる社会をつくりたい。

そう考えた私は、一人ひとりが自分にあった進路を選ぶ力を身につけるための学校として、サイル学院中等部・高等部(通信制)をつくりました。だからこそ、学校の名称であるサイル(漢字で書くと“才流”)という言葉には、「才能が流れる」という意味を込めています。

一人ひとりが自分自身の「進路選びの軸」を見つけるために。

サイル学院では「社会でお金を稼ぐこと」や「自分の感情」に対する解像度を高める体験と、日常生活や進路選択において「選択のハンドル」を握ることを大切にしています。

本書で記した通り、進路選びには多くの時間と体験が必要です。そして、学ぶ目的も、自分に合う学び方も、一人ひとり違います。

“高校生”という新しいことに対する吸収力が高い時期に、もっと自由な時間と、いろいろな体験ができる環境を用意したい。なぜ学ぶのか?という目的や、どうやって学べばいいのか?という手段を、一人ひとりが見つけられる学校をつくりたい。

こうした想いから、サイル学院は、固定化された授業時間や校則をなくしました。

これまでの学校を、時間や場所やルールを定めた上で、学びの目的と手段を生徒に与える集団一斉型の学校と置くならば、サイル学院は、時間も場所もルールも定めず、学びの目的と手段を生徒が決める個別最適型の学校です。

もちろん、はじめから自分で決めて行動できる人は少ないので、生徒が自分で学びの目的と手段を決めたくなるような仕掛けをするのが、本校で働く先生の役割です。

進学校から転校。元不登校。全国から集まる生徒たちの入学理由

サイル学院の生徒(以下、サイル生)は、進学校から転校したり不登校経験があったり、さまざまな背景を持っています。

――進学校だったこともあり、とにかく「勉強、勉強、勉強......」の毎日で、「大人になって本当に役立つのかな?」と思っていたんです。

時間には限りがあるのに、違和感を持ったまま高校生活を終えるのはもったいない。社会に出た時に、本当に役立つ勉強をしたい。そう思って、高2の春に、サイルへ転校しました。

――もともと中学受験をして、中高一貫に通っていたんですが、競争ばかりの感じが自分にはあわなくて。学校に行かない時期もあったんです。

私が行動を起こそうと思ったのは、中学3年生の時。アフガニスタンで活動していた医師の中村哲さんの本を読んだことがきっかけです。

中村さんの行動力や考え方がすごいなと思ったし、私も環境問題に対して、行動したい。

多くの人を巻き込み、変化を起こすためには、ビジネスを学ぶ必要があると思ったのです。

これらはすべて、サイル生に聞いた入学理由の原文です。

手前味噌ですが、サイル生は本当にすごいと思っています。サイル学院を選んでいるからではありません。まわりと違うことを恐れずに、自分で選択のハンドルを握っているからです。

正直、もし私が中高生だったら、サイル学院は進学先や転校先として選べなかったと思います。当時の私には、シンやサイル生のように、まわりと違うことを恐れずに選択のハンドルを握る勇気がなかったからです。

これからは、まわりと違うことが当たり前になる時代です。

会社の働き方で言えば、みんなでオフィスに集まったり、同じ会社でずっと働いたりする時代から、テレワークや転職が当たり前の時代になりました。

学校の学び方で言えば、みんなで校舎に集まったり、決められた授業を受けたりする時代から、全国各地から通学できるオンラインの学校への入学や、興味のあることを学ぶための転校が当たり前の時代になるのではないでしょうか。

何回失敗しても大丈夫

私は、これまで主流だった偏差値というモノサシや学問を追究する道には賛成です。一方で、もっといろいろなモノサシや興味を追究する道も当たり前になる方がいいと考えています。

誰かに必要な学歴や資格は、あなたには必要ないかもしれません。ないよりあったほうがいいことは世の中にたくさんあります。

ですが、あなたにとって必要かどうかは、あなた自身の進路選びの軸次第です。

「まわりのことを気にするのはやめよう」「自分を変えよう」と、どれだけ力強く思っても、人はなかなか頑張れないし、変われない。

しかし自ら行動して環境を変えると、人は変化した環境に勝手に適応しようとするので、結果的に頑張れたり、自分も変われたりします。

シンは勇気を出して、憧れのマンガ編集者に連絡するという行動を取り、話ができる環境をつくりだしたので、ここからいろいろな変化が生まれるでしょう。

実際、サイル生にも「私自身は、大人数の中で発言することが苦手です。でも、サイルに入ってから(ディスカッションしたりする機会が多いので)積極的に発言できるようになりました」と発言する人がいました。

彼女の場合も、まず環境を変えて、変化した環境に適応するために自分も変わった、ということです。

人生の中で、自ら行動して環境を変える行為を、野球に例えて「バッターボックスに立つ」と言うことがあります。

しかし、人生と野球の試合では打席に立てる回数がまったく違います。

野球の試合では1試合4回くらいしか打席に立てません。

一方、私たちの人生においては、自分が行動した分だけ、何度でも打席に立てます。

本書の中にも、進路選びの軸を見つけるために、とりあえず何かやってみる、挑戦しようという話がありました。

挑戦すれば、必ず失敗します。

失敗は怖いです。

ですが、私はある時から、失敗してもいいんだ、と思えるようになりました。

考えが変わったきっかけは、「人生においては、打率よりも打数を上げることに価値がある」という考え方を知ったことです。

ようするに、4回打席に立って4本のヒットを打つより、100回打席に立って80回アウトでも、20本のヒットを打つほうが価値がある、ということです。

失敗するのは怖いですが、あなたの失敗は誰も気にしていないことがほとんどです。

人は自分に最も興味があるので、自分の失敗は気になりますが、他人の失敗はほとんど見ていません。

「1年前、まわりの誰かが失敗したことを3つ思い出してください」と言われても、ぱっと出てくる人は少ないのではないでしょうか。

他人の失敗に関する興味なんて、その程度です。

ですから、何回失敗しても大丈夫です。

この本で提案する進路の選び方は、失敗がセットになっています。

ですが、読者の皆さまが巻末の進路ガイドを片手に失敗を恐れず何度も挑戦し、進路選びの軸を見つけ、自分にあった進路を選べている。

その一助となることができたら、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。

あなたの進路を探す旅が、たくさんの挑戦と失敗、そして、たくさんのヒットが生まれる旅になりますように。

2023年2月

サイル学院中等部・高等部 学院長 松下雅征

13歳からの進路相談 目次

クリックできる部分は、無料公開の対象です。気になる項目があれば、ぜひ他もお読みください。

【はじめに】

【プロローグ】「進路選び、どうしよう?」

【0日目】高校選び、大学入試、就職活動にも役立つ進路の考え方

【1日目】進路選びの軸を見つける3つのステップ

【2日目】ステップ1:社会でお金を稼ぐことに対する解像度を高める

【3日目】ステップ2:自分の感情に対する解像度を高める

【4日目】ステップ3:社会と自分の重なりを選ぶ

【5日目】進路選びの落とし穴をさける

【エピローグ】「どんな進路にも役立つ力」

【特別インタビュー】今を生きる君たちへ「もし私が、13歳なら」

書道家・3人の父親 武田双雲さんが贈る、13歳へのメッセージ「今感じている劣等感や短所は、ぜんぶ勘違いだから捨てていいよ」

YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」の葉一さんが贈る、13歳へのメッセージ「夢は変わっていい、まずは始めることが大切」

元ミクシィCEO・起業家兼投資家の朝倉祐介さんが贈る、13歳へのメッセージ「失敗を想定するから、思いきり挑戦できる」

【おわりに】

13歳からの進路相談シリーズ 販売サイト

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イラスト©森永ピザ

この記事を書いた人

サイル学院中等部・高等部 学院長
松下 雅征/Matsushita Masayuki
サイル学院中等部・高等部 学院長

1993年生まれ。福岡県福岡市在住。一児の父。株式会社13歳からの進路相談 代表取締役社長。著書『13歳からの進路相談』シリーズは続々と重版され、全国の学校や市区町村の図書館で多数採用されている。
学生時代は早稲田実業学校高等部を首席で卒業し、米国へ留学。その後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値を基準に進路を選び後悔した経験をきっかけに、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げる。これまでに寄せられた中高生からの相談は10万件を超える。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社・才流(サイル)で勤務。
2022年に同社の子会社を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分に合った進路を選べる社会を目指し、「 サイル学院高等部(通信制)」を創立。全国から入学・転校生を受け入れ、高校卒業だけではなく、その先のキャリア支援も行っている。
著書:『 13歳からの進路相談(すばる舎)』、『 13歳からの進路相談 仕事・キャリア攻略編(すばる舎)