学校に行きたくない理由がわからない高校生へ|10の理由と相談先を紹介
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「朝になると、学校に行きたくない」
「行きたくない理由が自分でもわからない」
このように悩んでいませんか。
学校のことを考えると体の調子が悪くなったり、泣いてしまったりする方もいます。自分でも理由がわからない不調が続くと、混乱してしまうかもしれません。
こんな時、大切なのは無理せず休むこと。学校に行きたくないと感じる気持ちは、心と体のSOSの可能性が高いからです。
気持ちが落ち着いたら、学校に行きたくない理由を考えてみましょう。原因が分かれば解決策も見えてくるはずです。
進路相談のプロ
本記事では、学校に行きたくない理由がわからない高校生の方へ、行きたくないと感じる10の理由を進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下がお伝えします。 |
【学校に行きたくない理由がわからない高校生へ】
学校に行きたくない理由がわからない高校生へ|10の理由を解説
学校に行きたくない理由がはっきりわからない場合があります。
いくつかの理由が重なると、自分の気持ちがわからない状態になってしまうのです。
ここでは、高校生が学校に行きたくない理由を解説するので、自分の気持ちを分析するための参考にしてください。
クラスでいじめが起こっている
クラスのいじめが、学校に行きたくない理由になっている場合があります。
自分が対象ではなくても、クラスの中でいじめが起こっていると雰囲気が悪くなります。それで学校に行きたくないと感じる人もいるでしょう。
いじめは暴力などの直接的な形ではなく、SNSのようにネット上で行われることもあります。
2022年のいじめに関する調査(*1)では、高校において「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」は2,564件でした。
自分以外を対象としたいじめを目の当たりにし、不登校になってしまうという事例も実際にあります。(参考:TBS NEWS DIG Powered by JNN「不登校過去最多、13歳の声【報道特集】 」
そういった出来事が気づかないうちにストレスになっているのかもしれません。
*1 文部科学省 「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」
友人とうまくいかない
友人とうまくいかないことが、学校に行きたくない理由になる場合があります。
友人関係の問題の例
- 新しいクラスになり友だちができない
- 休み時間や移動教室の際に一人になり寂しい
- 仲が良かった友だちと疎遠になった
文科省の同調査では「いじめを除く友人関係に関する問題」で、教育委員会や教育センター、教育相談室に相談を行った高校生は2022年だけで4,905件もあったと記載があります。
高校生になると、親や先生も生徒同士の人間関係に関わることが少なくなります。
そのため、友人とうまくいかなくて寂しい思いをしていることに気づかない可能性があります。
先生と合わない
高校生が学校に行きたくない理由の一つとして、先生との相性の問題があります。
文科省の同調査では、「教職員との関係をめぐる相談」を行った高校生は2022年に3,624名もいました。
先生と合わない状況の例
- すぐに怒ったり、怒鳴ったりするので怖い
- 先生の好みで生徒をえこひいきする
- 一方的で意見を聞いてくれない
- 細かく注意されるので息苦しい
- 教え方が下手で授業がわからない
嫌いな先生の教科の成績が下がってしまうこともあるでしょう。
また、担任の先生と相性が良くないと、毎日、ホームルームで顔を合わせるのが苦痛になります。
先生と会うのが嫌で、学校に行きたくないと感じる高校生は少なくありません。
勉強に悩んでいる
学校に行きたくない理由として、勉強に悩んでいる高校生もいます。
文科省の同調査では「学業・進路に関する相談」を行った高校生は、2022年に6,667名。多くの人が勉強のことで不安を抱えているのです。
高校生になると授業の進度が速くなったり、内容が難しくなったりしてわからない箇所が多くなるのが普通。
特に入学当初は、学習ペースの切り替えが追いつかず、ついていけないと感じることが多いでしょう。
その結果、せっかく入学した進学校で落ちこぼれになってしまうこともあります。
高校受験だけを目標に勉強を頑張ってきた高校生が、入学後に勉強する意欲を失ってしまうことも。
成績が下がってしまったり、赤点を取ったりすると、学校に行きたくないと感じるのも当然です。
参考:進学校で落ちこぼれでも大学進学できる!挽回するための対策7選
進路の不安
卒業後の進路に関する不安や悩みも、高校生が学校に行きたくない理由になります。
進路に関する不安の例
- 進学先や就職先がなかなか決まらない
- 自分に何が合っているか、何がしたいかわからない
- 親が望む進路と自分が望む進路が違う
- 競争倍率の高い大学受験や就職に重圧を感じる
周りの生徒が進路を決めていく中で、自分の進路が決まっていないと、焦りやストレスを感じるのも当然のこと。
身近に進路について相談できる人がいないと、行き詰まってしまう可能性があります。
部活動が辛い
部活動が辛くなることも。先輩・後輩関係や、顧問の先生との関係など、部活内のいじめや人間関係が学校に行きたくない理由の一つになりやすいです。
練習の量や時間が多く、体力が消耗して学校の勉強がおろそかになったり、レギュラーを取ることやポジション争いでストレスを感じたりする生徒もいます。
部活動と学業のバランスを取るのが難しいと、学校に行きたくないと感じるかもしれません。
学校が合わない
入学してみないと学校の雰囲気は分からないもの。体験入学やオープンキャンパスで分かることは限られています。
自分の思い描いていた学校生活と現実のギャップが大きいことが、学校に行きたくない理由になる場合があります。
学校が合わない例
- 授業スタイルやカリキュラムが合わない
- 服装や髪型などのルール・校則が厳しい
- 学校行事が多すぎたり、少なすぎたりする
- 自宅から学校までの距離が遠くて通学に時間がかかる
第一志望ではない高校に入学したことで、学校に魅力を感じづらいこともあります。
学校の雰囲気が好きになれないと、毎日通い続けるのは辛くなるでしょう。
参考:高校が合わない?対処法や転校のメリット・デメリットを解説
家庭環境の問題
一見わからないとしても家庭の悩みや問題が高校生活に影響を及ぼすこともあります。
家庭で安心して過ごせないと、学校に通う意欲に影響が及びます。
家庭環境の問題の例
- 親との関係が悪い
- 引っ越しなどによって環境が変わる
- 離婚や再婚など家族構成が変化する
- 親の失業や転職
- 家族の中に経済的な問題がある
文科省の同調査では「家庭に関する相談」を行った高校生は、2022年に6,831名。これは相談数全体の13%の割合を占めます。
学校自体には行きたくない理由がないように思える場合、家庭の中に原因があるのかもしれません。
体の調子が悪い
体の調子が悪くて学校に行きたくない場合もあります。
朝起きられない高校生の中には、低血圧や貧血、起立性調節障害などの病気を抱えている方もいます。
起立性調節障害は自律神経の病気。でも、病気かどうか自分ではわからないものです。
無理して登校し続けると、心身の疲労が限界に達してしまうことも。普通と違うと感じたら医療機関を受診しましょう。
遊びで生活リズムが崩れている
高校生になると門限が遅くなったり、行動範囲が広くなったりするもの。
交友関係が広がって友だちと遊び歩くようになったり、スマホやゲームなどに依存して、夜型の生活リズムになったりする場合もあります。
夜更かしして朝起きられなくなると、学校に行きたくないのも当然です。
【学校に行きたくない理由がわからない高校生へ】
学校に行きたくない時に頼れる相談先5選
自己分析しても、学校に行きたくない理由がわからないこともあるでしょう。
文科省の同調査では、高校生の不登校の理由として最も多かったのは「無気力・不安」という回答でした。
これは、学校に行きたくない明確な理由がわからないということ。
自分で考えてもわからない時は、一人で悩まず、誰かに相談しましょう。
第三者の力を借りることで、解決策が見つかったり、自分の状況をもっとよく理解できたりすることがあるものです。
学校に行きたくない時に頼れる相談先を5つ解説するので、参考にしてください。
親・保護者
学校に行きたくない気持ちがわからない場合は、まず、親に相談するのがおすすめです。
学校をしばらく休む場合は、親の協力が欠かせないからです。
親に相談すると、「怒られるのではないか」と心配する方もいるでしょう。
確かに、あなたの気持ちがわからないと「サボっている」、「怠けている」と誤解することがあるかもしれません。
そのため、親に相談するタイミングや方法はよく考える必要があります。具体的な方法は、以下の記事をご覧ください。
親に気持ちを理解してもらえれば、学校を休んでいる間も気持ちが楽になるでしょう。
また、一緒に解決策を探すことができるようにもなります。
スクールカウンセラー
どうしても親に話せない時には、学校のスクールカウンセラーに相談しましょう。
スクールカウンセラーは、学校に行きたくない理由がわからない高校生の支援ができる専門家。
特に、自分の気持ちがわからない時や、混乱している時には専門家のカウンセリングがおすすめです。
心理支援を受けるメリット
- 話を聞いてもらえて気持ちが楽になる
- 自分の考え方の癖に気づける
- 問題を整理して考えられるようになる
- 状況にうまく対応する方法を見つけられる
高校によっては心理支援の専門家が常駐していたり、外部の専門機関と連携していたりすることがあります。
自分の通っている高校に相談できるスクールカウンセラーがいるか調べてみましょう。
公的相談機関
地域には学校に行きたくない悩みを無料で相談できる公的機関が多くあります。
相談できる公的機関の例
- 保健所・保健センター
- 精神保健福祉センター
- 教育センター
- 児童相談所、児童相談センター、児童家庭支援センター
どこに相談してよいかわからない場合は、「こころの健康相談統一ダイヤル」に電話をかけてみましょう。
相談は無料で、秘密も守られます。
LINE・チャット相談
高校生の中には、電話よりもLINEやチャットのほうが相談しやすい方もいるでしょう。
高校生が使えるチャット相談窓口
- ユキサキチャット:LINEでの無料相談。進路や就職の相談についての悩みに特化。悩みを整理し、なりたい状態を一緒に考えてくれる。
- 若者メンタルサポート:10代専門の無料LINE相談。24時間365日相談を受け付けている。匿名で相談が可能。
- あなたのいばしょ:24時間365日利用できるチャット相談窓口。最短5秒で国内外にいるボランティアが相談に応じる。海外在住のボランティアも多いので、深夜の相談も可能。
上記の相談先は、さまざまな背景を持つ高校生と日々関わる団体が運営しているため、学校に行きたくない理由がわからない高校生の悩みを理解してくれる相談員が多いでしょう。
家庭教師・塾
高校生が学校に行きたくない理由の中には、勉強や進路の悩みが関係していることがあります。
個別指導塾や家庭教師に相談することで、問題が解決することも少なくありません。
マンツーマン指導で「やる気」や「勉強の仕方」を教わることもできます。
個別指導塾 モチベーションアカデミアの例
- 学習計画の立て方から実践方法を身につけられるPDCA学習サポート
- 定期テストから大学進学までカバーする完全1対1オーダーメイド指導
- 生徒の「やる気タイプ」を踏まえたコーチング
- 効率的な勉強のやり方指導や、勉強の進み具合の確認やアドバイス
サイル学院が提携する個別指導塾・モチベーションアカデミアを紹介
【学校に行きたくない理由がわからない高校生へ】
学校に行きたくない理由がわからない高校生へ
理由はわからないけれど、学校に行きたくないと悩んでいるなら無理しないことが大切。
学校に行きたくない理由がわからない方へ。できること5つを解説
自分の気持ちに向き合えば、学校に行きたくない理由に気づけるかもしれません。
高校生が、学校に行きたくない理由はさまざまな要因が絡み合っていることが多いもの。
自分で考えてもわからない時には、学校に行きたくない悩みを相談しやすい相談先を利用してみましょう。
専門家に話を聞いてもらえば、気持ちが楽になるはずです。
学校に行きたくない理由に気づくことで、さまざまな選択肢が開けます。
自分に合った学校を選んで、学校に行きたくない悩みを解消した高校生も少なくありません。
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【学校に行きたくない理由がわからない高校生へ】
この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
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