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高2で通信制高校への転校は遅くない?今すぐ確認すべき6つのポイント

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高2で転校は遅くない?

同級生と同じ年度で卒業できる?

こんな悩みをお持ちでしょうか。

高2でも、通信制高校への転校は遅くありません。

通信制高校(広域)に通う生徒の約半数が転入・編入しているからです。

今の学校で修得した単位や在籍期間を引き継ぎできるので、同級生と同じ年度の卒業も目指せます。

 通信制のサイル学院長

本記事では、高2から通信制高校に転校する際に知っておきたい情報や注意点などを

進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が解説します。

また、高2で通信制高校に転校する際の手続きも解説します。

【高校を転校したい方へ】

目次[非表示]

  1. 1.高2で通信制高校へ転校|今すぐ確認すべき6つのポイント
  2. 2.高2で通信制高校に転校するための手続き
  3. 3.まとめ:通信制高校への転校は高2でも遅くない

高2で通信制高校へ転校|今すぐ確認すべき6つのポイント

高2から通信制高校に転校するには、前もって準備を進める必要があります。

事前の情報収集が不足していると、転校したい時期に転校できない可能性もあるからです。

高2で転校したい方は、今すぐ6つのポイントを確認しましょう。

高2で通信制高校へ転校|確認すべき6ポイント

ポイント1. 転校の条件

通信制高校に転校する際、志望校の募集地域には注意しましょう。高校によって、募集地域が異なるからです。

通信制高校は、募集地域の範囲によって「狭域」「広域」の種類に分けられます。

お住まいの付近に通いたい高校がなければ、広域の学校を選ぶのが一般的です。

check募集地域の違う2種類の通信制高校

  • 狭域通信制高校:1〜2つの都道府県から募集
  • 広域通信制高校:全国、または3つ以上の都道府県から募集

公立は狭域通信制高校が多く、私立は広域通信制高校が多いです。

広域通信制高校の募集地域例
仙台育英学園高校(ILC宮城)
宮城、青森、岩手、山形、秋田、福島、栃木、埼玉、東京、沖縄(2023年度)
飛鳥未来高校(池袋校)
東京、千葉、埼玉、山梨、神奈川(2023年度)
八洲学園大学国際高校
全国47都道府県(2023年度)

志望先の通信制高校が募集している地域の条件を確認しておきましょう。

ポイント2. 転校の受け入れ時期

転校生の受け入れ時期は高校によって異なるため注意しましょう。公立は学期ごと、私立は随時転入できることが多いです。

check受け入れ時期の例

  • 都立高校:学年の初め、第二学期、第三学期3
  • 北海道有朋高校:4月~7月
  • 八洲学園大学国際高校:随時(いつでも)

通信制高校によって転校を受け入れていない時期もあるので、事前に問い合わせましょう。

ポイント3. 転入試験の内容・難易度

転校するには、転入試験に合格しなければなりません。

全日制高校の転入試験は難易度が高く、誰でも入学できるわけではありません。

しかし、通信制高校の転入試験は比較的難易度が低いです。

学科試験が設けられておらず、書類選考や面接試験だけで転校できる通信制高校も多いからです。

check転入試験の例(2023年度)

  • 都立新宿山吹高校:国語・数学・英語(高校第1学年1学期相当の範囲)
  • 北海道有朋高校:作文、面接試験、学力検査(国語・数学・英語)
  • 八洲学園大学国際高校:書類選考のみ

進学コースを設けている通信制高校のなかには、難易度の高い転入試験を設けている高校もあります。

各通信制高校によって転入試験の内容や難易度は変わるので確認が必要です。

ポイント4. 単位引き継ぎ

全日制高校で高2に進級している方は、高1の単位(30~35単位程度)を修得済みです。

高2で転校したあとに必要な単位は、高校卒業に必要な74単位から修得済みの単位を差し引けば分かります。

卒業単位の計算例

check高2で転校する場合の修得単位の例

  • 74単位(高校卒業に必要な単位)‐30単位(高1までに修得した単位)= 44単位(転入後に修得する単位)

高2で通信制高校へ転入した場合、残り44単位を修得すれば高校卒業できるのです。

全日制高校の場合、2年次の単位は高2の学年末まで認められません。高2の半ばで転校すると、2年次の単位は未修得になります。

あと数か月で進級する場合、高3から転校するほうが良い可能性があります。

高2修了時点で修得見込みの単位数を調べてみましょう。正確な単位数は、いま通っている高校の先生に尋ねれば教えてもらえます。

ポイント5. 転校の費用

通信制高校に転校したあとの費用は、単位数によって異なります。

通信制高校の授業料は単位数をもとに計算するからです。

check授業料の例(30単位を修得済の場合)

  • 都立高校(通信制):336円(1単位)×44単位=14.784円
  • 八洲学園大学国際高校:10,000円(1単位)×44単位=330,000円

高2の時点で修得している単位が多いほど授業料が少なくなります。

もし転校したいのが高2の学年末なら、2年次の単位を修得し終えてから転校するほうが学費を抑えられます。

また、入学登録料や諸経費、施設使用料などもかかります。詳細に関しては、各通信制高校の募集要項を確認しましょう。

通信制高校の学費は高い?公立・私立の費用比較

ポイント6. 卒業時期

転校後、同学年の生徒と同時期に卒業したいなら、各通信制高校の卒業時期を確認する必要があります。

卒業できる時期が複数設けられている通信制高校も多いです。

check卒業時期の例

  • 都立高校(通信制):3月
  • 八洲学園大学国際高校:3月、9月(2学期制)
  • ルネサンス高校:3月、6月、9月、12月(前期・後期の2期制)

学期ごとに単位認定される通信制高校なら、高2の後半であっても単位を修得しやすいです。

とはいえ、高2の後半に転校する場合、単位修得に必要なスクーリングの日程が合わなかったり、求められるレポート提出が多すぎたりする可能性があります。

確実に単位を修得するためには、余裕を持って転校するのが良いです。

【高校を転校したい方へ】

高2で通信制高校に転校するための手続き

通信制高校に転校するための手続きは難しくありません。

順番を間違えないように、よく確認して準備しましょう。

高2で通信制高校に転校するための手続き

転校先を探す

具体的な転校手続きを進める前に、転校先を探すことが大切です。

通信制高校によっては、転校受け入れ時期や出願できる地域に制限があります。

また、単位を修得するための条件は通信制高校によって異なります。

情報を集めて転校先の候補を絞り込みましょう。

check転校先の情報収集の手段

  • HPを見る
  • 資料請求(パンフレット・募集要項)をする
  • 学校見学会に行く
  • 合同説明会に行く

通信制高校のおすすめ【2023最新】分野別12校を徹底解説

在籍高校から書類をもらう

在籍している高校から発行してもらう書類は以下のものです。

  • 成績・単位修得・出席状況証明書
  • 転入学紹介状および在学証明書
  • 前籍高校の教育課程表

参考:八洲学園大学国際高校(生徒募集要項・令和4年度6月生~令和5年度4月生)

転校先の通信制高校によって必要書類が異なります。事前に確認しましょう。

書類の発行をお願いしてから、1週間~10日かかる場合があります。

転校したい日付が決まっているなら早めに申請すると良いでしょう。

転校先に出願

在籍高校から受け取った書類に加えて、自分で用意する書類をそろえて転校先に出願します。

必要書類は郵送するか、直接持参すると良いでしょう。

check自分で用意する書類の例

  • 入学願書
  • 証明写真
  • 入学登録料振込確認書
  • 転校先からのアンケート、質問票

高等学校等就学支援金を利用して授業料を抑えられる可能性もあります。その場合は、以下の書類も必要です。

  • 個人番号カード等貼り付け台紙
  • 就学支援金申請書
  • 市町村民課税証明書

参考:八洲学園大学国際高校(生徒募集要項・令和4年度6月生~令和5年度4月生)

余裕を持って転校手続きするため、転校したい日の1か月くらい前には出願するようにしてください。

転入試験を受ける

出願ができたら、転入試験を受けます。

学科試験(国・数・英)の他に、面接試験や作文試験がある高校もあります。

志望動機や転校理由を答えられるように準備しておきましょう。

転入試験や書類選考に合格すると、メールや郵送で合格通知が届きます。

転入手続きする

通信制高校の転入試験に合格したら早めに転入手続きをしましょう。

学費を納入して、履修科目を登録します。履修科目の登録とは、それぞれの学習計画に基づいて時間割を作ることです。

転校先の先生と相談しながら、以前の高校で修得した単位を引き継いで、最短で卒業するための計画を立てましょう。

高校を転校したい方へ

高2で通信制高校への転校を考えているなら、今すぐにでも準備を始めましょう。

早い時期に転校できれば、余裕を持って単位修得できます。

通信制高校を探すなら【通信制高校の相談室】がおすすめです。

通信制高校の相談室は、全国47都道府県から、あなたにぴったりの学校がすぐ見つかるサービスです。通信制高校の基本や転校に関する情報も、わかりやすく案内してもらえます。

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生徒や保護者の方は、完全無料で相談できますので、安心してご利用ください。

【高校を転校したい方へ】

この記事を書いた人

サイル学院中等部・高等部 学院長
松下 雅征/Matsushita Masayuki
サイル学院中等部・高等部 学院長

1993年生まれ、福岡市在住。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は7万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流で勤務。
2022年、株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して通信制オンラインスクール「 サイル学院高等部」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「 13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。1児の父。
YouTubeチャンネル: @matsushita_shinro