通信制高校のスクーリングに行きたくない方へ|2つの免除方法を解説サムネイル画像

通信制高校のスクーリングに行きたくない方へ|2つの免除方法を解説

記事を読むのにかかる時間 3分

「通信制高校のスクーリングに行きたくない…」

このように悩んでいませんか。

実は、スクーリングを減免できる方法があります。

 進路相談のプロ

本記事では、通信制高校のスクーリングに行きたくない方へ、進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が、スクーリングの免除方法を詳しく解説。どうしても行きたくない場合の5つの対処法も紹介するので、参考にしてください。

【通信制高校に入学・転入したい方へ】

目次[非表示]

  1. 1.スクーリングに行きたくない場合の免除制度
  2. 2.スクーリングに行きたくない場合の対処法5選
  3. 3.スクーリングに行きたくない悩みに寄り添ってくれる通信制高校を探そう

スクーリングに行きたくない場合の免除方法2つ

通信制高校では、完全にスクーリングをなくすことはできませんが、一部を免除したり別の学習方法で代替したりすることが可能です。

1. メディア学習制度での代替

通信制高校では、スクーリング時間数のうち60%までをメディア学習で代替できます。

これは学習指導要領で認められた制度(*)です。

✓メディア学習の例

  • ラジオ・テレビ放送
  • 録画された授業動画
  • 双方向のライブ配信授業
  • eラーニング教材での学習

あくまで一部を代替するものであり、全てのスクーリングを免除できるわけではありません。

最低でも40%のスクーリングは登校して受講する必要があります。

また、学校によってメディア学習の実施形態や代替可能な時間数が異なるため、入学前に確認する必要があります。

なお、メディア学習による代替制度の利用を希望する場合は、担任の先生に相談の上、必要な申請手続きを行ってください。

* 参考:各教科・科目の面接指導の単位時間の標準(「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議 資料2)

2. 特別な事情による免除

特別な事情がある場合には、最大80%までスクーリングを免除できます。

✓特別な事情によるスクーリング免除の例(*)

  • 病気や事故のため、入院又は自宅療養を必要とする場合
  • いじめ、人間関係など心因的な事情により登校が困難である場合
  • 仕事に従事していたり、海外での生活時間が長かったりして、時間の調整がつかない場合
  • 実施校自らが生徒の実態等を踏まえ、複数のメディア教材を作成する等により教育効果が確保される場合

ただし、全てのケースでスクーリング免除が認められるわけではなく、学校側が正当な理由だと判断した場合に限られます。

医師の診断書や意見書が求められることもあります。

以下のような口コミもあります。

スクーリングの免除は学校の判断によるため、事前に相談することが大切です。

* 引用:高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン(令和5年2月一部改訂)P10

免除申請の注意点

スクーリングの直前になって申請するのではなく、できるだけ早い段階で学校に状況を伝えることで、代替案を検討してくれる可能性があります。

「スクーリングに行きたくない」という感情的な理由だけではなく、以下のような資料を提出しましょう。

  • 医師の診断書
  • 治療を受けた際の領収書
  • 介護認定の証明書(家族の介護が必要な場合)

自分なりの代替案を提案することも効果的です。

  • 「スクーリングの代わりにレポートを追加で提出したい」
  • 「オンライン学習をしたい」
  • 「段階的にスクーリング参加を増やしていきたい」

学習意欲を示すことで、学校側も前向きに検討してくれるでしょう。

学校によって、スクーリング免除の基準や申請方法、必要な書類などが異なります。事前に学校の規定をよく確認し、それに沿って申請を行いましょう。

【通信制高校に入学・転入したい方へ】

スクーリングに行きたくない場合の対処法5選

ここまでスクーリングの免除方法を解説しました。学校に行くことが自分に合っていないと感じるのであれば、使える制度はぜひ活用してください。

一方、「スクーリングに行きたくない」という気持ちを自分なりに深堀りすることも大切です。

気持ちを深堀りすることで、あなたに必要な対処法が見えてきます。

ここでは、「スクーリングに行きたくない」と感じている方に向けて、その気持ちを深く掘り下げる方法と、具体的な対処法について解説します。

1. 担任やスクールカウンセラーに相談

自分一人で考えることも大切ですが、担任の先生やスクールカウンセラーに相談することで自分の考えが明確化します。

通信制高校には不登校経験者やメンタル不調を抱える生徒が多く在籍しているため、生徒の悩みに寄り添うサポート体制が整っていることが多いです。

例えば、サイル学院 高等部では、担任の先生と毎週テレビ通話の時間があり、スクーリングの不安を相談できます。

参考:サイル学院 高等部  サポート体制

保護者も一緒に相談に参加することで、家庭と学校が協力してサポートする体制を作ることもできます。

不安な気持ちを一人で抱え込まず、まずは話を聞いてもらうことから始めてみましょう。

2. 振替制度を利用できるか確認する

スクーリングに行きたくない理由が、「予定が合わない」「その日はどうしても都合が悪い」といった場合であれば振替制度を利用できるか確認してみましょう。

多くの通信制高校では同じ内容のスクーリングを別日に実施しているため振替が可能です。

都合に合わせて振替することで、スクーリングに参加しやすくなるでしょう。

✓スクーリングの振替制度の例

  • 他のクラスや後日開催される同じ授業に参加
  • 欠席者向けの補講・特別授業を受講
  • 先生と1対1で補習を受ける
  • ライブ配信やオンデマンド授業で補完

ただし、スクーリングの振替には期限や回数の制限がある場合が多いので、利用する際は事前に担任の先生に相談しましょう。

また、振替を前提に安易にスクーリングを休むのは避け、できるだけ予定された日程に参加するよう心がけることが大切です。

サイル学院 高等部では、宿泊スクーリングを毎月開催。旅行シーズンを避けて交通費を抑えたり、アルバイトが忙しくない時期に計画したりできます。

参考:サイル学院 高等部  短期集中スクーリング

3. 負担のないコースへの変更

スクーリングになかなか行けず、悩んでいる方は、今のコースが自分に合っているかを改めて考えましょう。

通信制高校には様々なコースが用意されています。

もし、スクーリングの頻度や内容が負担になっている場合は、より負担の少ないコースへの変更を検討するのも一つの方法です。

✓通信制高校のコース例

  • オンライン:通学を最小限に抑え、ネット学習中心
  • 自宅学習:登校頻度を抑えた在宅型
  • フレックス:登校日を自由に選べる
  • 集中スクーリング:年数回の集中開催

月に数回、または年数回のみのスクーリングで済むコースや、オンライン授業が中心で、スクーリングの頻度が少ないコースもあります。

ただし、コース変更には時期的な制限がある場合や、追加の費用が必要になることもあります。

変更を検討する際は担任の先生に相談し、手続きや条件について確認しましょう。

4. 自分に合った学校への転校を検討する

もし、現在の学校のスクーリングや学習スタイルがどうしても合わず、負担に感じている場合は、転校という選択肢も視野に入れましょう。

通信制高校によって、スクーリングの頻度や内容、サポート体制などが大きく異なります。

転校先を探す際は、以下のような点に注目すると良いでしょう。

  • 年間スクーリング日数:年5日~週5日など
  • スクーリングの形態:通学型/集中型/合宿型など
  • 特別な配慮の有無:保護者同伴可、少人数制、男女別など
  • オンライン授業の充実度:使用するツールや動画教材など
  • 通学のしやすさ:立地や交通アクセス

スクーリングの通いやすさを重視して、複数の通信制高校を比較しましょう。

学校名 スクーリング日数 特徴
サイル学院 高等部 年1回・6泊7日(沖縄) 毎月開催の柔軟なスケジュール
費用が1万円台で格安
ルネサンス高校 年4日程度(茨城) 日帰り、分割、親子参加、社会人限定など通学方法を選択可能
NHK学園高校 月1~2回、もしくは年4日程度 全国40ヶ所のスクーリング会場への通学
集中スクーリングは7つの会場(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)への参加が可能

転校の際は受験料や入学金などの新たな費用が発生します。

また、単位の引き継ぎについても確認が必要です。転校を考える際は、まずは資料請求や学校見学で十分に情報収集することをおすすめします。

通信制高校の転校(転入)に関しては、以下の記事もご覧ください。

高校を転校したいけど何をすればいい?転校の条件や手続きを解説

通信制高校への転入手続き5ステップ|メリットや注意点も解説

5. 高等学校卒業程度認定試験を受ける

スクーリングにどうしても行きたくない場合の最終的な選択肢として、高等学校卒業程度認定試験(*)の受験があります。

これは、高校を卒業していなくても、高校卒業と同等の学力があると認められる国の資格試験です。

大学・短大・専門学校への進学資格を得たい方に適しています。

ただし、高等学校卒業程度認定試験は、高校卒業資格とは異なります。進学しない場合は最終学歴が「中卒」となることに注意が必要です。

通信制高校を退学して受験することを決める前に、必ず保護者や学校の先生とよく相談し、将来の進路も踏まえて慎重に判断しましょう。

詳しくは以下の記事をお読みください。

学校に行きたくない理由がわからない高校生へ|10の理由と相談先を紹介

* 参考:文部科学省 高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)

【通信制高校に入学・転入したい方へ】

スクーリングに行きたくない悩みに寄り添ってくれる通信制高校を探そう

スクーリングに行きたくない、不安があるという悩みは、決してあなただけのものではありません。

多くの通信制高校では、生徒一人ひとりの事情に応じたサポートを提供しています。

年1回だけの通学や、通常授業は全てオンラインの通信制高校もあります。学校資料を取り寄せて内容を確認しましょう。

通信制高校を探すなら【サイル学院の資料請求】がおすすめです。

資料請求いただいた方には、サイル学院の学校案内資料に加えて、通信制高校や進路の選び方がわかる資料もプレゼント中です。

「通信制高校のルールがわからない…」

「種類が多すぎてどれを選べばいいか迷う…」

「サイル学院と他校との違いを知りたい」

などの疑問や不安は、サイル学院の資料請求で解決できます。

資料は未成年の方・生徒ご本人も請求いただけます。お気軽に請求ください。

この記事を書いた人

サイル学院中等部・高等部 学院長
松下 雅征/Matsushita Masayuki
サイル学院中等部・高等部 学院長

1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「 サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「 13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。