高校中退しても大学進学できる?全日制高校から編入する3つの方法を解説
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全日制高校を中退したけれど、大学進学を諦めたくない
高卒資格だけは取得したい。中退者でも入れる高校があるだろうか
こんな悩みを抱えていませんか。
いちど高校を中退すると、転校(転入)はできません。
しかし、編入制度を利用すれば、高校に入り直せることを知っていますか。
進路相談のプロ
本記事では、全日制高校を中退した方が編入するための3つの方法を 進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下がお伝えします。 また、中退した方が高校に編入したい理由を分析し、どのような高校を選ぶべきか、大学進学したい場合に有利になる高校編入の方法を解説します。 |
【高校をやめた方へ】
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編入=中退者が高校に入り直す方法
さまざまな理由で「この高校に通い続けるのは難しい」と感じて高校を中退した方もいるでしょう。
しかし、もう一度高校に入りなおしたいと考える方もいるはず。
そんな時に役立つ「編入」という制度があります。
編入とは高校を中退した方が、単位や在籍日数を引き継いで別の高校に入り直すことです。
編入制度を利用すれば、新たな高校に再入学して1年生からやり直す必要もありません。
高校編入のメリット
- 修得した単位や在籍日数を引き継げる
- 1年生からやり直さないので、卒業までの期間が短くなる
なお、1年生で中退した方は、引き継げる単位がないので編入できず、再入学するしかありません。
引き継げる正確な単位数を知りたい方は、以前通っていた高校に問い合わせましょう。
高校に編入したい代表的な3つの理由
高校に編入したい理由を分析すれば、どの高校に編入するのが良いか、編入以外の方法があるかなど、複数の選択肢を検討できます。
下記に、代表的な編入の理由を紹介します。
高卒資格を得たい
全日制高校を中退後、高卒資格だけは取得したかったと思う方もいるでしょう。
令和3年で公立中学校の高校進学者の割合は98.5%にのぼる(*1)ため、高校を卒業していることは当然だと思われがちです。
なかには以下のようなことを理由に、編入を考える人もいます。
- 最終学歴に「中卒」と記載される
- 就職の際に応募できる求人が少ない
- 大学・短大・専門学校の受験資格が得られない
高卒資格を得るには全日制高校・定時制高校・通信制高校のいずれかを卒業する必要があります。
毎日通学する全日制高校・定時制高校に通うことが難しいなら、通学スケジュールが柔軟な通信制高校への編入を検討しましょう。
*1 公立中学校卒業者の進路状況推移(令和4年度 公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(令和3年度)の進路状況調査編】)
大学・専門学校などに進学したい
目標を達成するために、大学や専門学校に進学したい方もいるでしょう。
大学や専門学校の受験資格には「高卒」が含まれるため、進学を諦めた方もいるかもしれません。
しかし、高卒資格以外の方法で大学や専門学校の受験資格を得る方法があります。
それは「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)」を得ることです。
高卒認定を取得するメリット
- 大学・専門学校への受験資格が得られる
- 高校に通い直す必要がない
大学や専門学校への進学だけが目的なら、新たに高校に編入せずに高卒認定を受験するのも良い方法です。
しかし、大学受験に失敗したり、大学を中退したりすると、最終学歴が「中卒」になります。
学び直したい
高校中退者のなかには「もう一度高校の勉強をし直したい」という方もいるでしょう。
高校を中退して働きはじめると、高校の勉強が社会人にも役立つことに気づくようになり、学習意欲を持つようになる方もいます。
高校のカリキュラムを学び直したい方の選択肢は、高校編入だけではありません。
高校カリキュラムを学び直す方法
- 市販のテキストの購入
- スタディサプリや放送大学などのオンライン教材
- 社会人向けの塾
何を、どれくらい学びたいのかに応じて学び直しの方法を選べます。
【高校をやめた方へ】
中退した方が高校に入り直す3つの方法
全日制の高校を中退した方が、編入する方法は3種類あります。
- 全日制高校
- 定時制高校
- 通信制高校
それぞれの高校の特徴を比較して、自分に合った高校への編入を検討しましょう。
全日制高校への編入
全日制高校は、これまで通っていた学校と同じように毎日通学する一般的な高校です。
全日制高校へ転校したい!公立・私立の転校手続きや疑問点を解説
クラスメイトとの交流やイベント、部活動など、編入後に学校生活を楽しみたい方に向いています。
編入条件
全日制高校を中退したのちに、別の全日制高校に編入するためには以下の条件を満たす必要があります。
- 中学卒業、満15歳以上
- 高校のある都道府県に住んでいる
- 編入試験の合格
- 欠員募集がある
編入生の募集時期と、あなたが編入したい時期が重なる必要があるので、全日制高校への編入は難しいです。
編入試験
以前在籍していた高校よりも偏差値の高い全日制高校に編入したい場合、編入試験の難易度が上がります。
しかも、編入試験のチャンスは年に1度(4月)しかないことに注意してください。
各高校に問い合わせると編入試験の過去問を入手できる可能性があります。
編入試験や受け入れの時期は、それぞれの全日制高校により異なるので、詳しくは下記の機関に問い合わせましょう。
全日制高校の編入に関する問い合わせ先
- 公立高校:各都道府県の教育委員会
- 私立高校:各都道府県の私学協会
定時制高校への編入
定時制高校は、働きながら高卒資格を取得するのに適しています。
編入条件
全日制高校の中退後、定時制高校へ編入するには以下の条件を満たす必要があります。
- 中学卒業、満15歳以上
- 高校のある都道府県に住んでいるか、勤務先がある
- 編入試験の合格
- 欠員募集がある
定時制高校も編入したい時期に高校が編入生を募集していることが必須です。
編入試験
定時制高校にも年に1度(4月)の編入試験がありますが、難易度は低めです。
定時制高校は偏差値がなく、高卒資格を取得することを優先した高校だからです。
そのため、高卒資格の取得だけが目的であれば、定時制高校への編入にはメリットがあるでしょう。
しかし、大学や専門学校に進学したいなら、定時制高校のカリキュラムだけでは不足していることが多いです。
進学するのであれば、独学で受験勉強に励むか、進学塾や予備校に通う必要があります。
編入の目的に応じて定時制高校に編入するかどうか検討しましょう。
定時制高校の編入に関する問い合わせ先
- 公立高校:各都道府県の教育委員会
- 私立高校:各都道府県の私学協会
通信制高校への編入
通信制高校は単位制が多く、自分のライフスタイルに合わせて単位修得できる高校です。
編入条件
全日制高校を中退したのちに、通信制高校に編入するためには以下の条件を満たす必要があります。
- 中学を卒業していること
- 満15歳以上であること
- すでに高校を卒業している生徒ではないこと
通信制高校は全日制高校と比べて編入しやすく、4月・10月の年2回や随時編入を受け入れていることもあります。
広域通信制高校の場合は、住所に限らず編入できるため、高校の選択肢も多くなります。
編入試験
通信制高校では、学科試験が設けられていないことが多いです。
その代わり、書類審査、作文、面接試験などがあります。
編入できる全日制高校が見つからない方や、学科試験に不安を感じる方にも通信制高校はおすすめです。
自分にあった通信制高校があるか、下記の方法で探してみましょう。
通信制高校を選ぶ方法
- 編入したい通信制高校のホームページから情報を得る
- 学校見学・学校説明会(オンラインの場合もある)に参加する
- 編入したい通信制高校に資料請求する
【高校をやめた方へ】
全日から通信制高校への編入|進学に対するメリット・デメリット
通信制高校は編入しやすく、自分にあった学校生活が送りやすいです。
しかし、「通信制高校への編入は、進学に不利になるのではないか」と考える方もいるかもしれません。
大学進学 |
専修学校 |
|
---|---|---|
全日制高校
|
60.2% |
20.4% |
定時制高校 |
13.1% |
21.7% |
通信制高校 |
13.2% |
25.3% |
抜粋:卒業後の状況調査 282 学科別状況別卒業者数 全日制・定時制 / 296 通信制(文部科学省「令和4年度学校基本調査」)
上の表を見ると、通信制高校の編入後、全日制と比べて進学を目指すのは難しそうに思えます。
まず、通信制高校の編入が進学に与えるデメリットをお話しします。
通信制高校へ編入するデメリット
通信制高校の編入のしやすさはメリットですが、大学進学のための学習環境という点では物足りない可能性があります。
物足りないと感じる代表的な理由
- 単位修得のためのレポートやテストの難易度が低い
- 進路指導やサポートを受けづらい
- 受験勉強のために切磋琢磨できる仲間を作りづらい
通信制高校の学習は、誰でもついていけるペースで提供されていることが多いです。
こうした理由から、通信制高校から進学する人が少ないと考えられます。
しかし、通信制高校への編入が、むしろ進学の強みとなることもあるのです。
通信制高校へ編入するメリット
通信制高校での学習には、以下のようなメリットがあります。
通信制高校編入で進学するメリット
- 自由な時間が多く、受験対策に使える時間が増える
- 進学コースを選べば、学習面の不足を補える
- 指定校推薦を利用できる可能性がある
- 自由な時間が多く、受験対策に使える時間が増える
通信制高校は、全日制高校と比べて自由に使える時間が多いです。
レポート提出やスクーリングで必要な単位を修得できる高校が多いからです。
高卒資格の取得に必要な単位数があれば、その他の時間は好きに使えます。
自由時間に受験勉強に打ち込めるので、全日制高校に通う生徒より有利になる可能性もあるのです。
また、授業以外の時間に芸能活動・スポーツなどに打ち込むことで総合型選抜が有利になったり、推薦枠を得られたりするかもしれません。
スクーリングが少ない通信制高校なら、進学対策のために時間を最大限活用できるでしょう。
サイル学院高等部 |
年に1回、約1週間の集中スクーリングを沖縄で実施 |
---|---|
ルネサンス高校(基本コース) |
年4日程度 3泊4日の宿泊集中型・日帰り型・分散型などライフスタイルに合ったスクーリングを選択可能。茨城・愛知・大阪などで実施 |
飛鳥未来高校(ベーシックスタイル) |
年間20日程度 全国各地(12か所)のキャンパスに月1日、週1日、週3日など自分の決めたペースで通学 |
自由時間を魅力に感じて通信制高校を検討しているのであれば、スクーリングが少ない高校を探しましょう。
進学コースを選べば、学習面の不足を補える
進学コースが用意されている通信制高校もあります。
予備校と提携している通信制高校もあり、基礎的な学習だけでなく予備校と同等の授業を受講可能です。
サイル学院高等部 |
第一志望合格率90%超の個別指導塾と提携。やる気と成績を伸ばす技術を身につけた先生による1対1の完全個別サポートで、高卒資格取得や第一志望校合格を目指せる。 |
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駿台甲府高校
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AI(人工知能)を使って一人ひとりに合わせた学習メニューを提案。 駿台予備校を代表する実力派講師陣による受験対策の映像講義受講も可能。 |
ワオ高校
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5年以上受験指導してきた学習塾を運営するワオ・コーポレーションが母体なので、毎年最新の受験情報が得られる。 全国47都道府県に展開する能開センター「個別指導Axis」の教室やオンライン授業を割引価格で受講できる。 |
一ッ葉高校
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大学受験専門の講師による少人数指導を受けられる。 現在の学力から志望校合格までの学習目標や学習プランを生徒一人ひとりに合わせて作成。 個別指導・進路指導により志望校への合格をサポート。 |
大学進学に特化した通信制高校では、全日制高校よりも集中した受験対策ができます。国公立大学・難関私立大学への合格も夢ではありません。
進学を目指して高校編入したい方は、大学進学に特化した通信制高校を探してみましょう。
指定校推薦を利用できる
指定校推薦を受けると、不合格になるリスクは低くなります。
指定校推薦を利用すれば面接試験を受けるだけで、一般入試を受けなくてよいのです。
これまでは、指定校推薦を持つのは全日制高校が多い傾向にありました。
指定校推薦という制度は高校と大学の信頼関係で成り立っています。
進学するにふさわしい生徒を送り出してくれるという確信がなければ大学は推薦枠を提供しません。
近年、大学進学に力を入れる通信制高校が設立されるようになり、大学進学を目指す生徒が増えています。
その結果、大学が通信制高校にも推薦枠を割り振るようになりました。
いまでは、多くの大学から指定校推薦枠を提供される通信制高校も増えているのです。
サイル学院高等部 |
提携校が持つ全国350校以上の指定校推薦枠 |
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ルネサンス高校 |
全国400以上の指定校推薦枠 大学123校・短大49校・専門学校206校 他(2020年度グループ校全体実績) |
第一学院高校 |
大学250校・短大86校・専門学校379校など(2022年度実績)
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通信制高校に編入する前に、指定校推薦を受けられる条件を確認しておきましょう。
高校をやめた方へ
全日制高校を中退しても、進路の選択肢が閉ざされてしまったわけではありません。
特に通信制高校への編入なら、高卒資格の取得だけではなく専門資格の取得や大学進学も目指せます。
高卒資格の取得を目指したい、大学などに進学したいという思いがある方は、通信制高校も選択肢の1つとして検討してみましょう。
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【高校をやめた方へ】
この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
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