高2で通信制高校へ編入|高2ならではのメリット・注意点を解説
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高2で通信制高校に編入できる?
通信制高校へ編入したら進学・就職は不利になる?
こんな悩みを抱えてはいませんか。
通信制に編入する仕組みを理解できれば、そんな悩みを解消できるでしょう。
通信制のサイル学院長
本記事では高2で通信制高校に編入するメリット・デメリットを進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が解説します。 編入は年次によって注意点が異なります。この記事では、高2で通信制高校に編入したい方が注意したい3つのポイントもお伝えしますので最後までご覧ください。 |
【高2で編入したい方へ】
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高2で中退しても「編入」できる
全日制高校を中退する理由は生徒により様々。時には、高校をやめることが必要な場合もあります。
しかし「高卒資格だけは取得したい」と考える方もいるでしょう。
そんな方におすすめの選択肢が通信制高校への「編入」です。
編入とは学校を中退後、別の高校に入学すること。まずは編入についての基礎知識を説明します。
単位と在籍期間を引き継げる
通信制高校は単位制を導入しているため、編入すれば高2までに修得した単位や在籍期間を引き継げます。
単位を引き継げるのでこれまでの学習が無駄にならないのです。
また在籍期間も引き継げるため、高1から再入学するより早く卒業できます。
高校卒業のための要件
通信制高校の卒業要件は以下3点です。
卒業要件
- 74単位以上の修得
- 3年以上の高校在籍期間
- 30時間以上の特別活動への参加
編入後、自分にあった単位修得計画・学習カリキュラムを立てて卒業を目指すことになります。
高卒資格を取得できる
通信制高校で得られる高卒資格は全日制で得られるものと変わらないです。
高卒資格があれば大学や専門学校の受験資格を得られます。また、高卒以上を採用条件にする企業にも応募できます。
編入によって進路に不利な影響を及ぼすことはないのです。
高2で通信制高校に編入|3つのメリット
通信制高校には独自の学校環境があり、今の学校が合わない方でもストレスなく通うことができる可能性があります。
ここでは、高2で通信制高校に編入するメリットを解説します。
メリット1. 前の学校で取った単位を活かせる
前述の通り、編入には修得した単位を通信制高校へ引き継げるメリットがあります。
高2で中退した方は、すでに高1の単位(30単位程度)を修得しているはず。編入後、74単位(卒業要件の1つ)から修得済みの単位を引くことができます。
単位の計算例
- 74単位(卒業に必要な単位)‐ 30単位(修得済の単位)= 残り44単位
これまでの学びが無駄にならないのは編入のメリットと言えるでしょう。
メリット2. 毎日学校に通わなくてよい
通信制高校は、基本的に登校(スクーリング)日数が少ないです。
また、学校によっては自分で登校頻度を決められるところもあります。
登校頻度の例
- 週1~5回の登校頻度を自分で調整できる
- 年4~5日ほど最寄りのキャンパスに参加
- 年1度の6泊7日宿泊集中スクーリング
極力学校に通いたくない方もいれば、通信制への編入後も学校で学びたいという方もいるでしょう。
自分に合った登校頻度を選べるのも、通信制のメリットです。
メリット3. 編入試験の難易度が低い
全日制高校の編入試験は募集人数が少なく、難易度も高いため、編入がしづらいです。
しかし、通信制高校の編入試験は難易度が低いことが多いです。
通信制の編入試験の内容例
- 書類選考
- 面接試験
- 学科試験(国語・英語・数学)
私立の通信制の場合、学科試験がなく書類選考・面接試験のみの場合も。
また学科試験があったとしても、基礎学力を測る程度の難易度であることが多いです。
ただし進学コースの場合、学科試験の難易度が高い場合があります。
高校卒業資格を取得するために編入しやすい高校を探しているなら、通信制が最適です。
【高2で編入したい方へ】
高2で通信制高校に編入|3つのデメリット
通信制高校に編入する際、デメリットも理解しましょう。
デメリットが分かれば、編入前に対策を立てられるからです。
ここでは、高2で通信制高校に編入するデメリットと対策を解説します。
デメリット1. 卒業が遅れる
編入の場合、一度学校を辞めてから他の学校に入学するので、どの学校にも在籍していない空白期間ができるでしょう。
4月・10月など編入時期が決まっている通信制高校に編入する場合、入学までに数か月待つこともあります。
高校卒業の条件に「3年以上の在籍期間」があるので、空白期間ができれば卒業が遅れるかもしれません。
まだ学校をやめていないなら転入(転校)も検討してください。転入とは、学校を中退せず他の学校に転校することです。
転入なら空白期間ができず、同級生と同じ時期に卒業できる可能性が高いです。
デメリット2. 履歴書に「中退」と記載される
高2で全日制高校をやめると履歴書には「中退」と記載することになります。編入しても中退した事実は変わりません。
就職の際、採用面接で中退の理由を聞かれるかもしれません。
ただし中退しても通信制高校に編入し、高卒資格を取得しているなら就職が不利になることはありません。
その理由の1つは全日制と通信制の就職率はほとんど変わりがないことです。
就職率
- 通信制:16%
- 全日制:15.7%
出典:令和3年度学校基本調査 卒業後の状況調査・文部科学省
さらに通信制の生徒のうち50%以上が転入・編入生。
編入生が多い通信制でも全日制と就職率に差がほぼないということは、就職が不利にならないと考えられます。
さらに、通信制には専門的な知識・技術を身に着けられるコースもあります。
将来に直結するスキルを身につけられれば、社会で即戦力として活躍できるようになるでしょう。
デメリット3. 進学が不利になる
通信制高校の基礎学習だけでは、大学進学に向けた勉強量としては足りません。
通信制の学習カリキュラムは、高校卒業を目的にした基本的なものだからです。
「通信制高校から大学進学は難しい」の理由は?|学校選びのコツも紹介
しかし大学進学コースのある通信制もあります。そういったコースでは、志望大学に通える学力を身につけられるようになっています。
ただし進学コースへの編入時は、難易度の高い編入試験がある場合が多いので、試験対策が必要です。
また、指定校推薦を持つ通信制高校もあります。指定校推薦を得られるなら進学しやすくなります。
しかし、高2で編入した後に推薦を得られるかは事前に確認が必要です。
進学実績のある通信制高校に資料請求して情報を集めてみましょう。
高2で通信制高校へ編入|3つの注意点
メリットとデメリットを比較し、「通信制高校に編入したい」と感じた方もいるでしょう。
編入を検討する際、抑えておきたい3つの注意点があります。
注意点1. 単位数を把握する
修得している単位数によって通信制高校で修得する単位数・学費・学習スケジュールが変わります。
そのため編入前に引き継げる単位数を正確に知っておくことが大切です。
在籍していた高校に「単位修得証明書」の発行してもらうことで、今修得している単位を知ることができます。
注意点2. 志望校の編入時期を調べる
編入が可能な時期は各学校によって異なります。
事前に調べないと、編入できるまで数か月待機する可能性があるので注意しましょう。
編入時期は学校によって違うので、志望校の編入時期を調べることが大切です。
通信制高校|編入時期の例
- 都立高校(通信制):4月(年1回)
- ID学園高校:4月、10月
- ルネサンス高校:4月、7月、10月、1月
- 八洲学園大学国際高校:随時受付(毎月)
公立は編入時期が少なく、私立は4月・10月に編入を受け入れている学校が多い傾向です。
高2で中退したら、できるだけ早く編入できる通信制高校を選ぶのがおすすめです。
早めに情報を集めれば、編入できる通信制高校の選択肢が増えます。各学校に資料請求して編入時期を調査してみましょう。
注意点3. 費用を把握する
通信制高校の授業料は修得する単位数により変わります。
編入後に何単位を修得する必要があるかが分かれば、授業料を計算できます。
また、授業料のほかに入学金や施設使用料などの経費も必要です。
編入後にかかる費用の総額を調べましょう。
通信制高校|編入の学費例(八洲学園大学国際高校)
- 入学登録料:20,000円
- 授業料:1単位10,800円×履修単位数
- 施設利用料:20,000円
- 諸経費:10,000円
- スクーリング費:18,000円
出典:八洲学園大学国際高等学校生徒募集要項(2022年度6月生~2023年度4月生)
ただし「高等学校就学支援金制度」が適用されれば、授業料を抑えることができるかもしれません。
在籍していた高校で、すでに高等学校就学支援金を受給していた方もいるでしょう。再び高校に通い始めれば支給が再開されます。
高等学校就学支援金の支給期間の上限は36か月(定時制・通信制は48か月)。
しかし、期間を超過している場合でも最長2年の受給ができる「学び直し支援金」を活用できます。
高校中退して期間が経過している方でも、編入費用の負担を軽減する制度があるので調べてみてください。
高等学校就学支援金や学び直し支援金の詳細は、こちらの記事を参考にしてください。
高2で編入したい方へ
高2で中退・退学した方も、再び高校に通い直して高卒資格を取得することは可能です。
通信制高校に編入すれば、高2まで高校に通った努力が無駄になりません。
高2で通信制に編入する際の注意点を理解したうえで準備すれば、最短期間で卒業することもできるでしょう。
しっかりと準備すれば、心機一転、新たな高校での学校生活を楽しめるはずです。
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【高2で編入したい方へ】
この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
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