
【高校生の不登校】転校で解決できる?おすすめの転校先と選び方を解説
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転校したら学校に通えるようになるだろうか
転校しても不登校のままかもしれない
こんな悩みを抱えていませんか。
たしかに、高校の転校で不登校を解決できるケースもあれば、そうでないケースもあります。違いはどこにあるのでしょうか。
不登校で転校したいと考えている方は、どうすれば自分に合った転校先を見つけられるのでしょうか。
学院長 松下
本記事では、不登校の原因別に転校が解決策になるかどうかについてサイル学院高等部 学院長の松下がお伝えします。 その他にも、転校以外の選択肢や自分に合った高校を選ぶポイント、不登校サポートが充実した通信制高校も紹介します。 |
目次[非表示]
原因別|転校で不登校が解決するケース・しないケース
転校後に学校へ通えるようになる方もいます。しかし、転校したあとも不登校が続く方もいます。
その違いは不登校の原因を理解しているかどうかにあります。
そこで、転校が不登校を解決するケースと、解決しないケースを比べてみましょう。
転校で不登校が解決するケース
以下2点に当てはまる場合、不登校が転校で解決する可能性があります。
- 不登校の原因が学校にある
- 転校が自分の意思である
この2点について詳しく考えていきましょう。
不登校の原因が学校にある
不登校の原因が学校自体にある場合、転校は良い選択肢だと考えられます。
環境を変えることで問題から離れることができるからです。
例えば、以下のようなことでお悩みでしょうか。
不登校につながる学校の問題
- いじめ
- いじめを除く友人関係をめぐる問題
- 教職員との関係をめぐる問題
- 学業の不振
- 進路に係る不安
- クラブ活動・部活動等への不適応
- 学校のきまり等をめぐる問題
- 入学・転編入学・進級時の不適応
出典:『令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』文部科学省
このような問題がある場合、転校で再び学校に通えるようになるでしょう。
転校が自分の意思である
転校を決める際、本人の意思が大切です。
学校の先生や保護者も、あなたの不登校を心配しているでしょう。保護者が転校の準備を進めることもあるかもしれません。
しかし、最終的な決定は自分で下さなければなりません。
実際に高校に通うのは、あなただからです。
新たな環境に移動するには大きなエネルギーが必要です。
あなたに十分な意欲がなければ、転校が不登校の解決策になることはないでしょう。
反対に、自分の意思で「転校しよう」と思えるのであれば、転校が不登校の解決策となる可能性が高いです。
「実践的なことを学びたかった」ビジネスを学ぶため、自発的に転校を決めた生徒事例
転校で不登校が解決しないケース
転校しても学校に通えない方の中には、次のような課題を抱えていることがあります。
- 不登校の原因がはっきり分からない
- 生活リズムが崩れている
この2点について詳しく考えていきましょう。
不登校の原因がはっきり分からない
不登校の原因がはっきり分からないなら、急いで転校しないでください。
原因が分からない時には焦らないことが大切です。
不登校の原因はひとつではありません。さまざまな要因が組み合わさり不登校になっている場合もあるのです。
例えば、家庭・本人が原因で不登校になっている方もいます。
家庭に係る状況
- 家庭の生活環境の急激な変化
- 親子の関わり方
- 家庭内の不和
本人に係る状況
- 生活リズムの乱れ・あそび・非行
- 無気力・不安
出典:『令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』文部科学省
転校で解決できるのは、学校が原因の不登校です。
転校を決める前に、不登校の原因を見極めるところから始めましょう。
生活リズムが崩れている
昼夜逆転の生活になり生活リズムが崩れてはいませんか。
生活リズムが崩れているなら、新たな高校に転校しても通学は難しいでしょう。
まずは規則正しい生活習慣を取り戻すことが大切です。
生活リズムの崩れは「怠けている」と思われることも多いですが、「起立性調節障害」を抱えている方もいます。
起立性調節障害の特徴
- 夜に目がさえてしまう
- 朝起きられない
- 午後から症状が改善してくる
- 朝に頭痛やめまい・立ちくらみがある
- 腹痛、食欲不振などの症状がある
- 気分が悪くなったり失神することもある
起立性調節障害は思春期に起こりやすく、東京都医師会によると、不登校生徒の約3~4割は起立性調節障害を発症しています。
起立性調節障害は、医師から生活習慣のアドバイスを受けることで徐々に改善します。
生活リズムが崩れていることで悩んでいるなら医療機関に相談することもおすすめです。
転校以外の選択肢もある
転校は不登校の解決になることも、ならないこともあります。
また、転校が不登校の解決策だとしても、本人にとってふさわしいタイミングでなければ転校は成功しません。
そこで、転校以外の不登校を解決する方法も知っておきましょう。
別室登校
転校せずに今の高校で別室登校している方もいます。
別室登校とは、教室ではない別の部屋(保健室・相談室・図書館など)で自習などを進めて徐々に登校できるようにする方法です。
とくに教室に入れなかったり、集団生活に大きなストレスを感じていたりする不登校の生徒に適しています。
無理のないペースで登校することで、生活リズムを整えつつ、卒業に必要な出席日数を満たせる可能性があります。
別室登校をしたい方は、担任の先生や学校に相談してみましょう。
フリースクール
フリースクールとは、学校以外の居場所となる施設のことです。
フリースクールには、不登校の生徒が集まるので、理解しあえる友達ができるかもしれません。
また、勉強も見てもらうことができ、生活リズムを整えることもできます。
しかし、フリースクールへの参加は高校の出席日数にはなりません。また民間の施設なので費用がかかります。
専門家への相談
ひとりで考えても不登校の原因が分からない場合や、不登校の改善方法を知りたい場合は、専門的な知識を持つ大人に相談してみると良いでしょう。
スクールカウンセラー
「学校外部の専門家」であるスクールカウンセラーには、先生や学校関係者には言いづらい悩みも相談できるメリットがあります。
自費で相談に行かなくても学校で専門家に相談できるので、メンタルの悩みを話すハードルが下がるのも良いところです。
あなたの高校に常勤の専門家がいなくても、必要に応じてスクールカウンセラーが派遣される可能性があります。高校に尋ねてみましょう。
ひきこもり支援センター
ひきこもり支援センターは不登校問題をどこに相談してよいか分からない場合に、最初に訪れると良い場所です。
必要な場合は医療機関や不登校支援の施設を紹介してくれます。
地域により取り組みに差がありますが、不登校生徒の家庭訪問や、不登校経験者に相談できる機会もあります。
無料で利用できる点も魅力です。
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不登校の方が選べる転校先|転入条件や選び方は?
高校の転校は、正しくは「転入」と呼びます。
転入には、これまで修得した単位や在籍日数を引き継いで転校できるメリットがあります。
しかし、転入にはいくつかの条件があります。
転校先により応募資格・難易度が異なるので、あらかじめ情報を集めましょう。
不登校に対応した転校先
不登校の方が転校したい場合の選択肢は3つあります。
- 全日制高校
- 定時制高校
- 通信制高校
それぞれの転校先の転入条件と難易度を比較します。
全日制高校と定時制高校の条件はそれほど変わりませんのでまとめて解説します。
全日制・定時制高校の転入条件
全日制・定時制高校に転校したい場合、以下の条件を満たしている必要があります。
条件1:引っ越しなど、やむを得ない理由がある
全日制・定時制高校への転校は、県外への引っ越しなどのやむを得ない事情が必要です。また、不登校やいじめによる転校が認められることもあります。
条件2:転校したい高校に欠員がある
転校先に欠員がなければ転入できません。転入生の募集情報を調べましょう。
条件3:転入試験に合格する
転入試験の合格が必須です。転入試験の難易度は高校の偏差値に準じます。
ただし、定時制高校は偏差値がなく、転入試験も簡単なことが多いです。
転校したい全日制・定時制高校の転入条件・欠員状況・転入試験・転入可能時期は、以下の機関から情報を集めてください。
転入に関する問い合わせ先
- 公立高校:教育委員会(東京都教育委員会など)
- 私立高校:都道府県私学協会(東京私立中学高等学校協会など)
通信制高校の転入条件
全日制・定時制高校の転入条件は厳しいため不安になる方もいるでしょう。
特に全日制高校の場合、不登校を理由にした転校を受け入れてもらえる保証はありません。
しかし、心配しないでください。
通信制高校には転校しやすい学校が多いのです。
通信制高校に転校しやすい理由
- 全国どこからでも入学可能(広域通信制高校のみ)
- 毎月転入生を募集
- 転入試験がない(書類審査・面接のみ)
通信制高校は入学者のうち、年度途中で入学する人(転入・編入)の割合が高い特徴があります。
学校基本調査によると、令和1年度には通信制高校に通う全体の28.9%の生徒が、転校・高校中退後に再入学しています。
不登校生徒の方でも転校しやすい選択肢として、通信制高校もおすすめです。
不登校に対応した転校先の選び方
転校で不登校を解決するには、自分に合っている高校を選ぶことが大切です。
そのため、転校先を選ぶ際には広く情報を集めましょう。
- SNSで在校生の投稿を見る
- 資料請求をする
- 学校見学会に足を運ぶ
- 転校したい高校の先生と話してみる
実際に転校したい高校を訪れると、学校の雰囲気や通学ルートなどが分かります。
先生がどのように生徒に対応しているかも観察しましょう。転校したい高校の不登校生徒へのサポート態勢も確かめておきたいですね。
一番大切なのは、あなたが「この高校なら通ってみたい」と思える高校を選ぶことです。
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不登校の転校に通信制高校がおすすめの理由
自分に合った高校に転校できれば、再び学校に通えるようになるかもしれません。
一方、転校に不安を感じるかもしれません。
- 毎日登校できるだろうか
- 集団生活になじめるだろうか
- 学習ペースについていけるだろうか
そこで、不登校の方におすすめなのが通信制高校への転校です。
通信制高校には年度の途中から転入・編入してくる生徒が多く、学校側も転校生の受け入れに積極的です。
また、通信制高校には過去に不登校だった方が多く在籍しています。
不登校経験がある生徒割合
- 狭域通信制高校:48.9%
- 広域通信制高校:66.7%
出典:『定時制・通信制高等学校における教育の質の確保のための調査研究』文部科学省
ここでは、転校先に通信制高校をおすすめする理由を2つ取り上げます。
毎日通学しなくてよい
通信制高校は単位制の学校が多く、高校卒業までに必要な単位(74単位以上)を修得すれば高卒資格を得られます。
学年制の全日制高校とは異なり、出席日数の不足で留年することがないのです。
そのため、体調や事情に合わせて時間割を組んで、自分のペースで学ぶことができます。
スクーリング(通学)の方法は通信制高校によって違います。
スクーリングが少ない通信制高校の例
- 週1日~3日の登校型
- 最寄りのキャンパスに自由に通える登校型
- 3泊4日~6泊7日などの宿泊型
スクーリングの少ない通信制高校に転校することで、通学する負担が減ります。
毎日、登校しなければいけないというプレッシャーがなくなるため、不登校の方でも無理せず高卒資格を取得できるのが通信制高校のメリットです。
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人間関係の悩みを抱えづらい
通信制高校では、生徒が自分で時間割を組んだり、登校スケジュールを選んだりするため定期的に同じ人たちと顔を合わせる機会が減ります。
ホームルームやクラスがない通信制高校もあります。そのため、集団生活の負担が少ないのも特徴です。
もちろん、全く人間関係がないわけではありません。
友達を作りたいと思うなら、学校祭などのイベントや、部活動やサークルなどの課外活動にも参加できます。
通信制高校の課外活動は自由参加型が多いので、負担にならない範囲で交友を広げられます。
不登校におすすめの転校先|通信制高校3選
不登校で転校を考えているなら、不登校生徒へのサポート態勢が整っている通信制高校がおすすめです。
学校見学会に参加したり、資料請求をして情報を集めましょう。
ここでは、不登校の転校におすすめの通信制高校を3つ紹介します。
飛鳥未来高校
飛鳥未来高校は、生徒の個性やライフスタイルを尊重する高校なので、自分にあった通学スタイルを選べるのが特徴です。
不登校の方でも負担なく通学できます。
スクーリング
飛鳥未来高校は、生徒が自分で登校日数を選べるコースが用意されています。
- ベーシックスタイル:月に1日・年間20日程度
- スタンダードスタイル:週に1日
- ネットスタイル:年間20日程度
- 3DAYスタイル:週に3日
- 5DAYスタイル:週に5日
また、転校後のコース変更も可能です。
不登校サポート
飛鳥未来高校は生徒のメンタルサポートに力を入れています。
飛鳥未来高校の担任の先生は、全員、心理学の資格(不登校対応カウンセリング基礎など)を持っています。
また、学校にはスクールアドバイザーを配置しています。
不登校の方が転校後に抱える不安や悩みに寄り添いサポートできる体制が整っていると言えるでしょう。
未来高校(熊本学習センター)
未来高校(熊本学習センター)は「不登校専門の通信制高校」です。
これまで不登校や引きこもりに悩む3,000名以上の生徒を支援してきた先生が学校を運営しています。
最低限のスクーリングとレポート提出。
入学式などの行事やイベントがないので、引きこもり経験者や長年の不登校生徒も確実に高卒資格を得られるサポートがあります。
スクーリング
未来高校(熊本学習センター)は、年間12日ほどのスクーリングです。
- 8月(6日ほど)・1月(6日ほど)
- 授業開始時間は10時
- 座学のみ(実技や発表なし)
- 保護者同伴も可能
入学式、運動会、文化祭などの強制参加のイベントはないため、必要最低限のスクーリングで高卒資格を取得可能です。
不登校サポート
未来高校は不登校・引きこもり支援専門の先生によるサポートを受けられます。
引きこもり状態の生徒のための自宅訪問支援や1対1の個別指導にも対応しています。
また、生徒の状態に合わせて病院と連携してさまざまな配慮を受けられます。
3か月~6か月の計画を立てて引きこもり生徒が社会性を身に着けるように援助する「引きこもり脱却プログラム」も特徴になっています。
八洲学園大学国際高校
八洲学園大学高校は広域通信制高校として20年以上の実績があります。平成30年3月時点では4,392名の卒業生を輩出。
不登校経験者でも、無理なく高卒資格を取得できるカリキュラムやサポート体制が特徴です。
スクーリング
八洲学園大学国際高校では、短期集中スクーリングを実施しています。
- 年1回のみ参加:6泊7日(沖縄)
スクーリング時期は4月と10月を除く年間15回用意されており、マリンスポーツや琉球文化の研究など、沖縄ならではのスクーリングを楽しめます。
不登校サポート
八洲学園大学国際高校では、ひとり一人の生徒に担任がつき1対1で高卒資格を取得できるようにサポートします。
入学時の相談(入口)から、高校卒業(出口)までの見守り態勢が充実。
生徒には専用のフリーコール、LINE、メールなどで担任と連絡可能。緊急時には担任の携帯電話に電話をかけることもできます。
自宅学習の悩みだけではなく、スクーリングの参加時期や進路など、さまざまな相談に対応しているので二人三脚で高校卒業を目指せます。
まとめ:自分に合った転校先を見つければ不登校を解決できる
不登校を解消する秘訣は原因を見極めることです。不登校を引き起こす要因になっている学校・家庭・自分の状況を分析しましょう。
学校という環境を変えることで不登校を解決できる場合も多いです。自分に合った転校先を見つければ、新たな環境で学校生活を楽しめるようになるかもしれません。
自由な通学スタイルや集団生活の少なさを特徴とする通信制高校への転校も検討してみてください。
自分に合った転校先を見つけるために、さらに情報を集めてみませんか。
(デザイン:山本 香織)