不登校でも高校を転校できる?メリット・デメリットを比較
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不登校でも転校できる?
転校先でも不登校を繰り返さないだろうか?
こんな悩みを抱えてはいませんか。
進路相談のプロ
本記事では不登校の高校生でも転校できるかという疑問に進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が答えます。 また、転校のメリット・デメリットや通信制高校の特徴を解説するので最後までご覧ください。 |
【不登校でお悩みの方へ】
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不登校でも転校できる?全日・通信の転校条件を比較
再び高校に通うために転校を検討している方もいるでしょう。
転校を成功させる秘訣は、不登校の方に合った転校先を選ぶこと。特に「全日制高校と通信制高校のどちらに転校するか」という選択は重要です。
ここでは、全日制と通信制の転校について簡単に解説します。
全日制高校への転校は難しい
実は、全日制高校への転校は条件が厳しいことが多いです。
高校は義務教育ではないため、小・中学校のように簡単に転校が認められないからです。
転校条件
- 高校が指定する地域に住んでいる
- 欠員募集している
- 転入試験に合格する
前提として、引っ越し以外の理由での転校は認められにくいです。
また、転校したい時期に欠員募集があるか、転校生の受け入れ時期はいつかなど、事前に確認する点が多くあります。
例えば、都立高校に転校できるのは3月、7月、11月です。それ以外の時期には転校できません。
全日制では学力検査(国語・英語・数学)や面接試験があることが多い点も念頭に入れておきましょう。
全日制高校へ転校したい!公立・私立の転校手続きや疑問点を解説
通信制高校は転校しやすい
通信制高校は、全日制高校と比べると転校しやすいです。
それもあってか、通信制への転入・編入数は年々増加しています。
通信制への年度途中入学者数
- 公立:1,634(2016年)→1,946人(2019年)
- 私立:16,877(2016年)→21,393人(2019年)
抜粋:文部科学省「学校基本調査」(令和元年)
特に私立通信制は、転校生の受け入れがかなり柔軟です。
私立通信制の転校条件
- さまざまな地域から転校可能(広域通信制)
- 転校できる時期が多い(随時受付・毎月の1日)
- 転入試験が易しい(面接や書類選考のみの場合も多い)
学科試験は、進学コースを持つ通信制の場合は難しい場合があります。
学校説明会に参加したり、資料請求したりして転校先の情報を集めるようにしましょう。
【不登校でお悩みの方へ】
不登校の高校生が転校する2つのメリット
転校には費用や時間、労力がかかります。しかし、転校で再び学校に通うきっかけを得られるかもしれません。
ここでは、不登校の高校生が転校するメリットを2つご紹介します。
メリット1. 不登校の原因から離れられる
不登校の原因が学校という「環境」にある場合、転校が解決策になる可能性が高いです。
不登校の原因には、以下のように学校関係のことが多いのです。
不登校の要因
-
無気力・不安
-
生活リズムの乱れ・あそび・非行
-
いじめを除く友人関係をめぐる問題
-
入学、転編入学、進級時の不適応
抜粋:令和4年度 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)
いまの高校でクラスの仲間となじめなかった場合でも、転校した高校で新たな出会いがあり、友人ができる可能性があります。
学校の校風や校則が合わなくて不登校になった方は、自分に合った高校を見つければ学校に通えるようになるかもしれません。
学校の雰囲気や先生との相性を知るために、学校見学会・オープンキャンパスに参加してみるのもおすすめです。
メリット2. 新たな気持ちで学校生活を始められる
転校すると環境が変わるので、新たな気持ちで学校に通えるでしょう。
不登校が長引くと、学校に通うのが気まずくなりがちに。再び学校に通うにはきっかけが必要です。
転校で新しい環境に飛び込むことで、「もう一度、高校生活を始めよう」と心機一転がんばれるはずです。
【不登校でお悩みの方へ】
不登校の高校生が転校する2つのデメリット
ただし、全ての不登校の方が転校すべきだとも言えません。
以下に紹介するデメリットを見ながら、自分が転校すべきかどうかを考えましょう。
デメリット1. 転校先で今の悩みが解決するとは限らない
転校で不登校が解決するのは、学校という「環境」が原因になっている場合がほとんどです。
例えば、以下のような不登校の要因は転校しても解決しないでしょう。
不登校の要因
-
無気力・不安 24,223人(40%)
-
生活リズムの無誰・あそび・非行 9,651人(15.9%)
-
いじめを除く友人関係をめぐる問題 5,576人(9.2%)
-
入学、転編入学、進級時の不適応 5,070人(8.4%)
抜粋: 令和4年度 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)
何が問題で不登校になっているのか、自分でもはっきり分からない可能性もあります。
そのような時は、各高校に派遣されているスクールカウンセラーなどに相談してみるのも良い方法です。
他の人に相談すれば、転校以外の選択肢も考えることができるようになるかもしれません。
転校以外の選択肢の例
- 別室登校(保健室登校)する
- 留年して一年やり直す
- 海外の高校に留学する
転校だけが選択肢ではありません。
色々な選択肢を比較検討すれば自分にとって転校が不登校の解決になるか見極めやすくなるはずです。
デメリット2. 新しい環境になじめない
転校して新しい環境(人間関係・学習環境)になじむためには、努力が必要になる可能性があります。
新たな人間関係を築く必要がある
新たな環境で人間関係を築くのは思った以上にエネルギーが必要。特にすでに出来上がっている人間関係の中に入っていくのは大変です。
対人関係が苦手な方は、通学が少ない通信制高校を選ぶなどの対策が必要でしょう。
学習環境が今と異なる可能性がある
転校先での授業の進度が早く、学習についていけないと、学校に通うのがつらくなるかもしれません。
転校前に、転校先での学習環境については確認が必要です。
転校前に、志望校の体験授業や個別相談を受けてみることがおすすめです。
【不登校でお悩みの方へ】
不登校の方の転校先におすすめ|通信制高校 4つの特徴
通信制には不登校を経験した方でも、学校に通いやすい様々な工夫や特色があります。
自分に合った通信制を選べば、今よりも充実した生活を送れるでしょう。
ここでは、通信制の4つの特徴を解説。通信制が自分に合っているかどうか確認してみましょう。
特徴1. 自宅学習がメイン
通信制高校では、自宅での学習(動画視聴・オンライン学習など)・レポート提出・スクーリングを組み合わせ、自分のペースで学習を進められます。
学習方法の例(八洲学園大学国際高校)
- 1科目につき1~12通のレポート提出
- レポート課題は教科書から出題されるので真剣に取り組めば解ける
- 自宅学習サポートページにはヒントが掲載
- 教育テレビやラジオ、YouTube視聴でも学習が可能
自分の学習レベルに合った通信制を転校先にすれば、学習を負担に感じることはないでしょう。
また、通信制のなかには、進学を目指す人のためのコースや、専門技術や資格取得のための勉強ができるコースもあります。
各学校により学習方法に違いがあるので比較検討してください。
特徴2. 通学頻度が選べる
通信制高校によって通学頻度が違います。
飛鳥未来高校
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週1~5日の通学日数を選べる
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ルネサンス高校
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年に4日のみ通学
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八洲学園大学国際高校
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年に1度、6泊7日の沖縄宿泊スクーリングに参加
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転校後、全日制と同じように毎日通学したい方もいるでしょう。その一方で、できるだけ通学日数を減らしたい不登校の方もいるはずです。
転校後は週に1日、慣れてきたら週に3日など、柔軟なスケジュールを組むことができる通信制もあるので調べてみましょう。
自分の希望に合わせたスクーリングができる転校先を選びましょう。
特徴3. 他の人との交流頻度が選べる
全日制高校で人間関係に悩みがあり、不登校になった方もいるでしょう。
そんな方は、交流頻度を自分で決められる学校を選ぶことがおすすめです。
サイル学院高等部
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ライブ型授業で全国の仲間と交流しながら学び会える。登校日は年1回から週5日まで、通学もオンラインも選べる学び方 |
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飛鳥未来高校(ベーシックスタイル)
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クラスがない。週1日でも毎日でも、自分のペースに合わせて自由に登校できる。
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N高・S高(ネットコース)
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ネット学習で必修授業・課外授業も学べる。チャットやバーチャル空間でのオンラインコミュニケーションで交流できる。
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八洲学園大学国際高校(短期集中標準コース)
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年に1度の6泊7日沖縄宿泊スクーリング以外は、自宅学習のみで高校卒業資格を得られる。
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クラスがない通信制も多いです。時間割も生徒によって違うので、合わない人間関係を無理して続けるストレスがないのがメリットです。
反対に友達をもっと見つけたいと思えば、自由参加のイベント(文化祭・体育祭・修学旅行など)を活用することもできるのです。
交流頻度が自分で選べる通信制を転校先にすれば、学校生活を大いに楽しめるようになるでしょう。
特徴4. 自分に必要なサポートが受けられる
通信制高校は自分のペースで学習を進められるため、自主学習の習慣が身についていない人は、つまずいてしまう可能性があります。
高校卒業に必要な単位修得を着実に進めるのが大変になることもあるでしょう。
そこで、転校先を選ぶ際には、高校卒業のためのサポート体制の有無を確認することをおすすめします。
公立よりも私立の通信制のほうがサポート体制が充実しています。
サポートの例(サイル学院高等部)
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登校日は年1回から週5日まで!通学もオンラインも選べる学び方
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第一志望合格率90%超!1対1の個別指導で高校卒業や大学受験をサポート
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大学選びや仕事選びに役立つ!後悔しない進路の選び方をプロから学べる
通信制によって、生徒のサポート方法に違いがあります。
自分の性格や個性に合った高校を選ぶと転校に成功しやすいでしょう。
不登校でお悩みの方へ
高校で不登校になる原因は様々です。不登校が長引くと自信を失くしてしまうかもしれません。
しかし、不登校になっても自信を失くす必要はありません。いまの学校が全てではありませんし、毎日校舎に通うことが必ずしも正しいこととは限りません。
高校を転校して環境を変えることが、結果的に自分を変えることに繋がることもあります。
特に、通信制高校は不登校の方でも学びやすい環境が整っています。
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【不登校でお悩みの方へ】
この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
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