高3で高校を転校できる?転校して良いかの判断基準・手続きを解説
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悩みがあって高校を転校したい
でも高3での転校は遅い?
このように考えてはいませんか。
高3でも他校への転校は可能ですし、環境を変えれば悩みが解決する可能性もあります。
しかし、転校せず今の高校を卒業した方が良いのではないか、と迷っている人もいるのではないでしょうか。
進路相談のプロ
今回は、高3の段階で高校を転校して良いかどうかの判断基準を進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が紹介します。 また、転校の候補先として通信制高校も紹介するので参考にしてください。 |
【高校を転校したい方へ】
高3での転校は可能!本当に転校すべきかの判断基準3つ
高3から転校することは可能です。
しかし、「転校してよかった」と感じるかどうかは人それぞれ。本当に転校すべきかを自身で判断することが大切です。
ここでは、高3で転校するべきかどうかの判断基準を3つ紹介します。
基準1. 転校によって悩みが解決するか
今の悩みが転校で解決するかを転校の基準の1つとしましょう。
転校で解決する可能性がある悩み
- 人間関係に問題がある
- 授業のレベル・ペースが合わない
- 全日制高校の生活リズムが合わない
これらの悩みは転校で解決する可能性があるため、転校を視野に入れても良いでしょう。
ただし、転校先の人間関係や授業のレベルが必ずしも自分に合うとは限らない点に注意が必要です。
一方、転校では解決しない悩みもあります。
転校では解決しない悩み
- 家庭に問題がある
- 勉強自体が嫌い
- 昼夜逆転している
これらの悩みは学校を変えても解決しない可能性が高いです。
転校では悩みが解決しさそうであれば、今の高校で悩みを解決する方法を探しましょう。
基準2. 高3前半での転校か
高3前半での転校なら、転校しても同年代と卒業することは可能でしょう。
一方、高3後半での転校なら今の学校を卒業する方が
高3後半での転校は、同学年と一緒に卒業ができず、半年から1年、余分に学校に通わなければならないかもしれないからです。また、学期の後半だと転校生を受け入れていない学校も多いです。
残り数ヵ月の高校生活であれば、今の高校に通い続ける選択も有効でしょう。
基準3. 高3での転校の注意点を理解した上で転校したいと思うか
高3で転校するにあたり、知っておくべき注意点があります。
高3での転校の注意点
- 転校先では人間関係が作られている
- 環境変化がストレスになる可能性がある
- 授業の進み具合にズレがある可能性がある
転校後、人間関係の構築や授業の遅れを取り戻す努力が必要となるかもしれません。
これらの注意点を理解した上で転校したいと思えるのならば、早めに行動に移すことを考えましょう。
高3での転校制度|全日制から通信制
転校先の候補には全日制高校や通信制高校があります。しかし、全日制への転校は簡単ではありません。
時間に余裕がない高3の場合、通信制も視野に入れた学校選びがおすすめ。特に私立の通信制は、簡単に転校の手続きが行えることが多いです。
ここでは、通信制への転校制度を解説します。
転入条件
通信制高校への転入(転校)には、以下のような条件があります。
転入条件
- 転校先に定員の空きがある
- 各学校が指定する都道府県内に居住している
- 転入試験に合格する
特に居住地が募集地域にあるかどうか確認が必要。公立・私立で募集地域の広さの傾向が分かれますので、まずはこの点を理解しましょう。
公立・私立の募集地域の傾向
- 公立:特定の都道府県に限定して募集を行う「狭域通信制」が多い
- 私立:全国もしくは3つ以上の都道府県から募集を行う「広域通信制」が多い
転入時期
転入時期は公立より私立の方が柔軟な傾向にあります。
高3は時間に余裕がないので、私立を視野に入れることをおすすめします。
通信制高校の転入時期
- 公立:各学期の始めなど一定の制限がある
- 私立:いつでも、もしくは月初めの入学など制限が少ない
ただし、私立にも最終受付時期があります。志望校の受入時期が何月までか必ず確認しましょう。
転入試験の内容
転入試験の内容は、下記のうちのどれか、または複数の組み合わせです。
- 書類審査
- 面接試験
- 作文・課題の提出
- 学科試験
学科試験は公立高校を中心に課される傾向があります。試験内容の詳細は各学校に問い合わせましょう。
単位の引継ぎ
たとえ転校したとしても、今の高校で修得した単位を引継げます。
ただし高3での転校の場合、引継げる単位は高2までに修得した単位のみ。全日制の多くは進級時(学年末)に単位の付与を行うことが多いためです。
転校時期が高3の4月でも12月でも引継げる単位数は同じです。早めに転校した方が、転校後に単位修得する時間が多く、余裕をもって卒業を目指せるでしょう。
【高校を転校したい方へ】
通信制への転校|よくある疑問6点
ここまで読んで、通信制高校への転校について具体的なイメージを持っていただけたでしょう。
イメージが明確になった分、様々な不安や疑問があるのではないでしょうか。
不安なく転校を進めるためにも、不明点を1つ1つ解決しましょう。
ここでは、通信制高校への転入でよくある疑問にお答えします。
疑問1. 同年代と一緒に卒業できる?
転校後、必要な単位を修得すれば、同年代と一緒に卒業できます。
ただし、高3後半での転校の場合、単位を修得しきれず卒業が遅れる可能性が高いです。
また、学校によっては最低在籍期間が設けられている場合もあります。最低在籍期間が足りない場合、所定の単位数を満たしても卒業できません。
疑問2. 友だちはできる?
通信制高校は全日制高校と比較して登校日数が少ないです。登校日(スクーリング)に友人を作ることはできるでしょう。
スクーリングの日数は「2週間に1度」「年間10日未満」など様々です。
友人を作りたい方は、登校日数の多い学校や、部活動が盛んな学校を選ぶと良いでしょう。
また、通信制高校は柔軟に時間を使えるため、アルバイトや趣味を通じて友人を作るのもおすすめです。
疑問3. 通信制高校への転校は「転入」と「編入」どっち?
高校を中退せずに通信制高校に転校することを「転入」と言います。
一方、高校を中退後に再入学する手続きは「編入」です。
編入は入学時期など、転入よりも制限が多くなります。また、履歴書に高校中退と記載する必要がある点もデメリットと言えるでしょう。
そのため、転校の際は、中退せずに転入しましょう。
疑問4. 通信制でも大学進学を目指せる?
通信制高校でも大学進学を十分に目指せます。
確かに最低限の授業だけでは、難関大学を目指せる知識を得られない可能性があります。
しかし、学習面や進路のサポート、個別面談などを受けられる通信制高校も少なくありません。
また、指定校推薦枠のある学校もあるため、学校の進学サポートや進学実績を確認しましょう。
「通信制高校から大学進学は難しい」の理由は?|学校選びのコツも紹介
疑問5. 通信制高校は就職で不利にならない?
全日制高校と通信制高校の就職率はほぼ同じ割合です。通信制だからといって就職が不利になることはないと言えるでしょう。
文部科学省の学校基本調査によれば、令和3年における課程別の就職率は以下のようになっています。
卒業生の就職率
- 全日制:17.8%
- 通信制:20.5%
参考:「令和3年度学校基本調査」文部科学省
また、通信制高校の中にはビジネスや美容、プログラミングなど専門的な知識を学べる学校も。全日制高校では学べない内容を学べるため、就職時に有利になる可能性もあります。
通信制高校からの就職は難しい?就活を有利にする4つのコツを解説
疑問6. 親の通信制高校へのイメージが悪く、納得してくれない
通信制高校に対して良いイメージを持っていない方も一定数存在します。
2024年1月にサイル学院が実施した調査によれば、32%が通信制高校のイメージを「悪い」「やや悪い」と回答しています。
また世代別では、30・40代の年代がマイナスのイメージを多く持っています。保護者の中にも通信制高校へ良いイメージを持っていない方もいるかもしれません。
保護者に通信制への転校を伝える際は、転校をしたい理由ややりたいことなどをノートにまとめ、明確に伝えられるようにしましょう。
きちんと通信制高校に行く理由を説明できれば、きっと納得してくれるはずです。
「通信制高校に通いたい」と言われた親の気持ち|伝えるべき6つの魅力
高校を転校したい方へ
高3の転校は可能ですが、時間に余裕がないことも事実です。
そのため、自分が転校すべきか否かを適切に判断し、転校先の候補を探しましょう。
転校先を探す際は学校見学や資料請求を行うことがおすすめです。転校後の具体的なイメージを持つことで、転校すべきか否かの判断もしやすくなるはずです。
通信制高校を探すなら【サイル学院の資料請求】がおすすめです。
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【高校を転校したい方へ】
この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
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