全日制から通信制の転校が不安な方へ|転入のメリット・手続きを解説
【記事を読むのにかかる時間】 3分
全日制高校から通信制高校に転入したいけど、不安もある
このように考えてはいませんか。
通信への不安の多くは、将来への影響ではないでしょうか。実は、自分に合った通信を見つけられれば、将来にとってプラスになる可能性も高いのです。
通信制のサイル学院長
本記事では、全日から通信へ転入する際のよくある不安とその解決策、魅力などを進路相談のプロ(書籍「13歳からの進路相談」著者)であり、通信制のサイル学院高等部 学院長の松下が紹介します。 また、通信制への転入手続きも紹介しているため、転入の際には参考にしてください。 |
【高校を転校したい方へ】
全日制高校から通信制高校へ転入 よくある不安と解決策
全日制高校から通信制高校に転入すると環境が大きく変わるので、不安に思うこともあるでしょう。
ここでは、全日から通信への転校でよくある不安と、その解決策を紹介します。全日から通信に転入すべきかを判断する材料にしてください。
通信制高校のイメージは良くない?
通信制高校に対して良いイメージがないと不安を抱く人もいるでしょう。
300人を対象にした調査では、約32%が通信のイメージを「悪い」「やや悪い」と回答しています。(2024年1月15日 サイル学院が独自に調査)
しかし、高校時代にどれだけの学びと経験を積めるかの方が周囲のイメージよりも大切です。
通信に転入して勉学に励めば、社会に出ても困らないくらいの力を身につけることはできるでしょう。
自分だけで勉強を進められない?
通信制高校では自宅学習が基本なので、自発的に勉強しなければなりません。
全日制高校のように授業を受ける機会は少ないので、自宅学習を疎かにすると卒業できない可能性もあります。
そこで、勉強面に不安がある方は学習サポートがある学校を選ぶことがおすすめ。勉強の進み具合や進め方の支援を受けながら卒業を目指せます。
人間関係が作りにくい?
通信制高校は全日制高校と比較して登校日数が少ないため、人間関係が作りにくい可能性があります。
転入後も友達を作りたい方は、スクーリングや部活動が盛んな学校を選ぶと良いでしょう。
また、オンラインでの交流が盛んな学校もあります。
サイル学院高等部の例
-
全国の友だちと学び合いながら、将来に役立つ知識を学ぶライブ型授業
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オンラインで生徒同士が交流するイベント
頻繁に通学したくない方は、オンラインで交流できる学校を選びましょう。
【高校を転校したい方へ】
転入したらどんな悩みも解決する?
全日制高校から通信制高校に転入しても、全ての悩みが解決できるわけではありません。
転入前にあなたの悩みが通信で解決できるかどうか、一度立ち止まって考える必要があります。
ここでは、全日から通信への転入を考えるあなたに知ってもらいたいポイントを2つ紹介します。
今の学校で悩みを解決できないか考える
まずは、今の学校で悩みを解決できないか考えましょう。
転入以外にも、悩みが解消する手段はいくつかあります。
悩みを解決する手段の例
- 学外に居場所を作る
- 信頼できる相談相手を作る
- クラス替えまで我慢する
- 無理にクラスに通わない
通信制高校への転入で解決される可能性がある悩み
先ほどの手段で悩みが解決しそうになければ、通信制高校への転入も視野に入れましょう。
転入で改善される可能性のある悩みの例
- 人との関わりに極度のストレスを感じる
- 全日制高校の生活リズムが合わない
- 授業ペースについていけない
このような悩みは、学校自体に原因がある可能性が考えられます。自分に合った通信を見つけられれば、悩みの解消が期待できます。
【高校を転校したい方へ】
全日制高校から通信制高校に転入する4つのメリット
「通信制高校の方が自分には合っていそうだ」と頭では分かっていても、転入に不安を感じる方もいるでしょう。
しかし不安になる必要はありません。むしろ、通信への転入にはメリットも多いのです。
ここでは、全日制から通信制に転入する4つのメリットを解説します。
無理なく大学進学を目指せる
「通信制高校だと大学進学は厳しい」と考える方もいます。
「通信制高校から大学進学は難しい」の理由は?|学校選びのコツも紹介
確かに通信の授業の難易度は低いところも多く、授業だけで難関大学に受かるほどの知識を身に付けることは難しいでしょう。
しかし、大学進学サポートが受けられる通信なら、授業の他に受験対策の授業も受けられます。
また、指定校推薦枠のある通信もあります。
事前に大学進学の実績・進学サポートの内容を確認して学校を選びましょう。
就職で不利になることはない
「通信制高校卒だと就職で不利にならない?」と不安になる方もいます。
通信制高校からの就職は難しい?就活を有利にする4つのコツを解説
しかし、通信だからと言って就職で不利になることはありません。
全日制高校と通信制高校の就職率
- 通信制高校:20.5%
- 全日制高校:17.8%
また、通信の中には、ビジネスやプログラミング、美容など専門知識を学べる学校もあります。
全日制高校では学べない知識・スキルを習得でき、社会に出る時にも役立つでしょう。
同年代と一緒に卒業ができる
通信制高校に転入しても、同年代に遅れず同じ時期に卒業できます。なぜなら、全日制高校で修得した単位を引継げるからです。
ただし、転入時期には注意が必要です。
全日では進級時に単位を付与するケースが多く、年の途中で転入する場合は前年度分の単位しか引継がれないからです。
例えば、高校2年生の9月に転入した場合、高校1年で修得した単位しか引継げません。
また、通信では転入時期が定められているケースも多いです。
通信制高校の転入時期
- 公立:学期の始めなど、転入できる時期が少ない
- 私立:毎月など、転入できる時期が多い
転入時期は、私立の通信の方が柔軟なことが多いです。
【動画】学年別!高校を転校するタイミングの見極め方を解説
自分のペースで卒業を目指せる
多くの通信制高校には留年がなく、4年間や5年間かけて卒業に必要な単位を修得できます。
卒業要件を満たしたら卒業できるので、自分のペースで学習を進めることが可能です。
【高校を転校したい方へ】
全日制高校から通信制高校への転入手続き
全日制高校から通信制高校への転入を現実的に考えている方は、以下の6ステップで手続きを進めましょう。
ステップ1. 転入条件を確認する
通信制高校の入学条件を確認しましょう。
通信制高校の入学条件
- 15歳以上で中学校を卒業済み、もしくは中学卒業者と同等の学力を有する
- 高校を卒業していない
- 高校が指定する都道府県に住所がある
特に条件3には注意が必要です。
通信制高校の募集地域
- 公立:特定の都道府県に限定して生徒を募集する「狭域通信制」が多い
- 私立:全国もしくは3つ以上の都道府県から生徒を募集する「広域通信制」が多い
ステップ2で志望校を決めますので、その際に募集地域を確認しましょう。
ステップ2. 転入先の通信制高校を決める
次に転入先の通信制高校を決定します。
学校を選ぶ際は学校見学や資料請求を行い、少しでも多くの情報を集めることがおすすめです。
学校によってカリキュラムやスクーリング制度、サポート体制などが異なるため、自分に合った通信を選択しましょう。
ステップ3. 両親・先生に相談する
転入先の通信制高校を決定したら、両親や先生に相談しましょう。
転入は人生に影響する大きな決断であるため、最初は理解を得られない可能性があります。
通信に転入したい理由をノートにまとめ、親や先生に理解してもらえるようにしましょう。
「通信制高校に通いたい」と言われた親の気持ち|伝えるべき6つの魅力
ステップ4. 出願の手続きを行う
次に出願の手続きをします。
出願書類は受験先から取り寄せるもの、学校に準備を依頼するもの、自分で準備するものと様々なため、漏れがないようにしましょう。
受験先から取り寄せる書類
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在籍する学校に準備してもらう書類
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自分で準備する書類
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受験料の振込証明書
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学校に用意してもらう書類は、発行までに1週間から2週間の期間を要する場合があります。
提出期限に遅れないよう、余裕を持って発行依頼を行うことが大切です。
出願書類の準備ができたら、提出用の封筒に封入して発送します。学校の先生が郵送をしてくれる可能性もあるため、事前に確認を行いましょう。
ステップ5. 転入試験を受ける
転入試験の内容は学校によって異なります。中には筆記試験などの対策を要する場合もあるため、事前に募集要項の確認をしましょう。
転入試験の主な内容
- 書類審査
- 面接試験
- 課題の提出
- 筆記試験
特に筆記試験は公立の通信で課される場合が多いです。
また、試験の結果は、試験後1週間程度で通知されます。
ステップ6. 入学手続きを行う
無事に転入試験に合格したら入学手続きを行います。
主な入学手続き
- 入学金・学費の納入
- 契約書・同意書の提出
期限内に入学手続きを行わないと合格が取消しになる恐れがあるため、早めに手続きを行いましょう。
通信制高校の学費は高い?公立・私立の費用比較|学費を抑える制度も解説
高校を転校したい方へ
全日制から通信制への転校を考えている方は、通信制の特徴を正しく理解し、自分が抱える悩みが改善されるかを考えましょう。
そして、特徴や注意点を理解したうえで、全日制から通信制へ転校すべきと判断したら、勇気を持って先生や両親に相談することが大切です。
高校の転校は人生に関わる重大な決断ですが、自分に合った通信制高校を選べれば、より充実した高校生活を送れるでしょう。
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この記事を書いた人
サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。1児の父。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席卒業。米国留学後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値で進路を選び後悔した経験から、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げ。中高生からの相談数は10万件以上。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社の才流(サイル)で勤務。
2022年、同社の子会社として株式会社サイルビジネス学院を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分にあった進路を選べる社会を目指して「
サイル学院高等部(通信制)」を創立。2023年、同校の中等部を創立。著書「
13歳からの進路相談」(すばる舎)。進路選択をテーマにした講演・イベントの登壇実績多数。
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